～移ろいゆくもの～

今回の花展のテーマは「移ろい行くもの」です。
不変なもの、永遠なものなどありはしないのです。
全ては移ろい行くのです。「不老不死」というのはそれこそ永遠に不可能なテーマです。それ故に生き物は全て次代の為にそなえ、自らを下敷きにして命つないで行っているのです。

生花はやがて枯れ行きます。
だったらドライフラワ―の方がオトク？ドライフラワーだってやがては色あせ朽ちて行きます。
永遠の花プリザーブドフラワー？これとて決して不変不朽ではありません。
くすみ、しわ、色おち・・・。
今回はドライフラワーの作品も多いですが、できれば皆さん少しでも生花に触れる機会を持って頂けたらと思います。

midori-yaは、極力プリザーブドフラワーを扱いたくありません。花本来の色を薬物で脱色し、代わりに染料を注入して着色しオイル加工して。一見きれいなようでもとてもアンドロイド的ですし、本来不気味なものです。（人体で例えるならドライフラワーはさしずめミイラでしょうがプリザーブドフラワーは「人体の不思議展」の人体標本でしょう。）土に環することも出来ない化物のような代物です。

今回生けられている花たちはやがて移ろい行きます。全ての作品がやがて移ろい行きます。貴方も私も移ろい行くのではありませんか？それで良いのではないですか？移ろうからこそ、今をこの一瞬を大切に精一杯美しくお互い生きて参りましょう。

花たちに負けないように。