12-6 身体という物体

動物として致命的だと思うのだが、私は嚥下が下手だ。二ヶ月に一回ほど、こうして食事中の嚥下に失敗し、死にそうなほど咳をする。涙目になるほど。

最近は異常な食欲が続いていて、食事回数が多いと思っていたし、量も増えてしまったと思っていたのだけれど、今日、肋骨が見えることに気づき、かなりの恐怖を覚えた。去年も食欲が増したときの体重の軽さは異様だった。身体自ら不足分の体重を補おうとしているのだと解する。

痩せると身体の明暗がはっきりして、自己と世界とがはっきりと区切られたような心地になることもあるのだけれど、世界の中で占める自己の延長が少なくなったことで自己自身が減った気分になるとの言葉も耳の中に響いている。

所詮は空洞に過ぎない。

知っているやつもいるだろうが、少額ながら、地道に貯金がたまっていく。閃いた時は名案過ぎて自分の才能が遂に開いたかと思った。花弁を開くんじゃないよまったく。






アポリアにもここにも記述しなかったが、彼の問いかけは十分僕に深い思索を与える契機となった。僕は彼を高く評価している。

アポリアにはどこまで僕を出すべきか?所詮はアポリアなのに。








僕は、……………は誕生していないし、僕は…………に選ばれてもいないんだ。僕が…………であって、それは……なのである。

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