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山田写真製版所 プリンティングディレクター高さんにインタビュー!

印刷にまつわるあれこれ
今回の印刷のことなど色々と伺いました。

T: 人間は感情の浮き沈みがあるから
コンピューターに頼る
でも、最後はやっぱり人間の経験値や目が必要

色を作る作業も最初はコンピューターで何グラムかを教えてもらい、
そこから、経験値とかの力を活かしてする調肉の作業。
片方だけだとダメ。
人間の力だけだと感情に左右される
コンピューターだけでもダメ

山田の力は、両方があいまっているという誇りがある。

印刷は網テン(あみてん)でできているので
炭の3版重ねでできている。
今回の印刷はまさにそれで、
スミトリプルを使って、三回重ねで
分版、スミ三つに分けて印刷する作業をしている。

M: 何が一番大変でしたか?

T: 井上さんがいうコントラストという言葉を捉えるのが一番最初は大変だった。もらった原稿はもう少し柔らかかったので、原稿にひっぱられるところがあって、そんなにハイライトを上げて、シャドウを変えてコントラストをつけていいんだろうかって疑問だった。白が真っ白にならないように、3版を調節して、その井上さんが言っている部分を理解するまでに時間がかかって色々とやってみた。

人間の顔を重視しているというのがわかった時に、初めて、井上さんが望むところがわかった、顔が明るくないとダメというのがわかった、写真も明るい未来というイメージだったから、それがわかってから作業が進んだが、4-5回目に色々とやった末にやっと理解できて、やっとこういうことかとわかったので、そこまでの作業が試行錯誤だった。コントラスト、顔の明るさ、というKey wordがはっきりしてきてから、作業が進んだ。

目の中の光とかが重要と直接聞いて漸くわかった。

M: 忙しい中、魂を込めて作業をしてくださったタカさんに感謝。
高さんが一番お気に入りという、Thanksgiving Parade。
どこがお好きなのか聞いてみた。

T: おじいさんがこっち向いていて、子供が上を向いているのが象徴的。
子供は未来を向いていて、おじいさんは、下から、経験から、老人が孫を支えつつ、子供は天を目指しているのがいいなと思った。

M: 今回たかさんがやってくださらなかったら、この本はできなかったと思う
というくらい、すごい作業をやって頂きました。

T: オペレーター(の中田さんも)も版の構造がわかってくると、何を上げていいかがわかってくる。PDがどうしたらいいかを伝えることで、次からそれを理解して作業を進めてくれる。かなりと成長したのに驚いた。

M: どっしりした存在の高さんがいて、「慌てない」というのが重要とのこと。みんなの親父みたいな存在で山田では愛されキャラですが、立ち会いの時は、とにかく慌てないでどっしりと構えて対応してくれるのが嬉しい。「心中するつもりで、立ち合いはやっている。ここまできて時間とかお金とか言わないようにしている。」職人かつアーティストである高さんがこの本を作ってくださって本当によかったです。

T: 何をメインに考えているのかがわかった時
コントラスト、
目線、
目力
みたいな話を聞くことで、漸く何を大切にしているのかがわかって
漸く最後の色が決まった。無駄なことをやっているようで、無駄でない

M : 私がお渡ししたデータも実は調整してみてくださったそうで、それも時間がかかる作業!でもそれをしたことも、私が望むところを理解するの助けとなったとのこと。

T: いいものに辿り着くために必要な過程
無駄なことをやってできたものはやっぱりかわいいし忘れない!

M: 100年残る本に仕上がっていますので、
たくさんの方のところにお嫁入りできますように!
高さん&中田さん、山田の皆様、
本当にありがとうございます。
あと少し、どうぞよろしくお願いたします!

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