一日をすすめる

大事な人をなくしたこと、生活の中で受けとめ、受け入れ、一日、一日をなんとかすすめていく。
心穏やかに思い出せる日もあれば、やたら心が塞ぐときも。
肉体があるせいでお腹はすくし、なれば財布を握り買い物も必要だ。風呂に入らねば不快である。
そうして、ただ生活を重ねているうち、いつしかなくした相手の年齢に並んだり、追い越したり、年号が変わったりして嗚呼…と思うなどする。

その人が残したものは、生活とともに、自分のなかで生きている。
いつしか自分も、誰かに何かを残して旅立つ側になる。
相手のために、なるべくいいものを残したい。思い出すだけで元気に生きていかれるような。さもなくば、化けて出て元気付けるしかない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?