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マカロン少年体験記〜ファミレス編〜第19話

シリーズものですが1話完結です。
こちらは調理の好きな高校1年生男子マカロンのファミリーレストランでの接客アルバイト体験記。
マカロンとその仲間たちのお話です。

<登場人物>
マカロン   ホールスタッフ
さくらもち  マカロンのクラスメイト。ホールスタッフ

2月になりました。
マカロンの働いているファミリーレストランでは、2月と6月は売り上げが下がります。
「そんな時こそ、いつもより丁寧な接客をしお客様にリピーターになっていただくよう心がけるべし!」と社員が言っていました。

スタッフは、毎月のキャンペーンやお客様アンケートのご意見を受けて、反省点や改善点を話し合います。
お客様アンケートは全て目を通しています。
時には忙し過ぎて満足のいくお客様サービスが出来ずお叱りを受けることもあります。
情報をみんなで共有するというミーティングに初めて参加した時、マカロンは、会社ってこういう感じなんだ、と感じました。

そんなマカロンやさくらもちも卒業するスタッフに
「今のうちに色々教えられることは教えとかないとね。」
と言われるようになりました。
期待されている嬉しさと同時になんだか漠然とした不安を感じます。

高校生は家に帰る時間が決まっているので、休憩室でご飯を食べずに家に帰らないといけない時があります。
家まで自転車で30分くらいの距離があるマカロンは、その日お腹が空いたのでアルバイトの帰り道コンビニに寄りました。
ちょっと菓子パンでも買おうと思ったのですが、お弁当を買って温めてもらいました。
コンビニを出て5分くらい走ったところで、どうしても空腹に耐えきれず、途中でお弁当を食べることにしました。
飲み物の自動販売機が5台くらい並んでいてその前が少し明るくなっている場所がありました。
周りに店も無く車が通り過ぎるだけの場所なので、誰にも見られないと思って、マカロンは自転車を停めて、そこでお弁当を食べ始めました。

しばらくして、マカロンの横に1台の車が停まりました。
そして、運転席の窓が開いて、中の人に声をかけられました。
「どうしたんだキミ。帰る家が無かったらおっちゃんの車に乗らないか?」
マカロンは直ぐに食べるのをやめて、自転車のカゴにお弁当を入れて、丁重にお断りするとその場を離れました。

その車に乗っていたらどうなっていたかわかりません。

家に帰ってそのことを話すと
「ちょっとやだぁ。そんなとこで食べるのやめてよー。」
と母に言われ
「バカなの?」
と姉に言われます。

それでも、翌朝早起きして学校に持って行くお弁当を作り、余った食材を詰めた姉の分もテーブルに置いて行くマカロンでした。
                    〜つづく〜

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