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「マジでやばい」の罠

 中高年のみなさん!バブル時代に一瞬で消えたある飲み物を覚えているだろうか。
 それを作っていた某飲料メーカーの方には大変申し訳ないのだが、どうにも忘れられない飲み物、そう夏になると思いだす飲み物がある。
 維力と書いて『ウィリー』と読むその飲み物をわたしはいまだに忘れられない。
 友達が「マジでやばいから絶対飲むべきだ!」とわたしに言ったのだ。マジでやばい… そりゃどんだけ素晴らしいものなのか、とわたしは思った。そしてそのマジでやばいがたまたま自販機にあったので、買ってみた。暑い夏のことだったので、わたしはそのマジでやばい飲み物をその場で開けて、そしてその場で一口飲んで…

 その自販機の横にそのまま置いてきた。
 お金返してちょうだいな。

 今でも「マジでやばい」と言えば、絶賛美味しいとそっちの意味に受け取るが、どうだろうか? 表情とか会話の前後を考えての話さ! もちろん。言葉とはとても難しい。

 その維力というジュース(?)は、そうだな、とても強い味のする液状の漢方薬に大量の砂糖を投入して、甘くしたんだからこの身体にとても良い飲み物を、さあ飲めと言っているかのようだった。確か栄養ドリンク的なジュースとして売られていたように思う。
 その時身体が不足しているものというのは、自然と食べたくなると言う。野菜が不足していると、案外それが好物でなくても食べたくなるし、美味しいと感じるものだと言う。そんなものだ…そう、だからこそ身体に良い効果が出るのだろうな。どんなに滋養強壮効果をうたっていたとしても、無理に飲んで身体は喜ぶのだろうか? はっきりは言えないけれど…

 さて、その維力というマジでやばい飲みものをネットで調べてみたところ、こんな書き込みがあった。「罰ゲームでお世話になりました」
 これを製造していた某飲料メーカーに以前勤めていた友人が、これは伝説の飲み物として語り継がれていると教えてくれた。瞬殺で製造中止になったということらしい。
 やっぱり! わたしの思い込みが過ぎたわけじゃないのね!

 マジでやばいから飲んでみて… マジでやばいから… そして撃沈

 中高年のみなさん、維力という飲み物を覚えて… いないだろうな、多分。

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