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癒す

空は晴れていた。ただ風は冷たかった。

朝の少しのんびりできるはずの時間にベランダに出る。
夜から続くもやもやが渦をまいて、好きなコーヒーでもごまかせなかった。
きっとわたしはまた、頼まれもしないのに誰かの何かになっている。

胸の中に思い出す、モノクロ写真の幼いわたしの顔を両手でつつみ、大丈夫だからと背中をさする。ちいさなわたしの顔が少し安心して頬が緩めば、わたしはわたしに帰ってゆく。
きっと。

さあ、洗濯物を干そうか。


先週の、ある朝の話。


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