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「#明日世界が終わる前に」


*可笑しなことにひとっこひとり見当たらない。

ぼやんと目を覚ましてからこっち、だぁれもいない普通の路地を歩いています。行けども行けどもぐるぐると同じ家の壁と屋根瓦。空は晴れていますか?曇っていますか?
まあいいか。
ふと見ると、生垣にわさわさと広がる葉っぱ。どうもこうも不自然な色。何処から見ても裏に返しても単一でムラの無い緑色。

そうかクレヨンで塗りつぶしたんだね、きっと。
それなら仕方ないと、妙な納得をしながら行けども行けども同じ風景がぐるぐる周る、変わらない道を歩いていました。*


昨日の夜、11月17日の夜9時に世界が終わるとかーるさんから教えられたすぐあとで、札束積めば別の世界を用意するからとダフ屋が来ましてね。
実は前にもあったらしいんですよ。ずっと以前にね。

  『世界ってひとつじゃなかったんですよ』

でね、その時に用意された世界が、さっきのそれな。ええ、ある界隈ではひとしきりこの噂で持ち切りでしたから。
なんだか空気すら動かないみたいで薄気味悪いんですけど、慣れてしまえば割と平気みたいですね。ただひとつ…… 変なのは……

  『世界ってひとつじゃなかったんですよ』

その時世界が終わると告げられたのは実はここでは無いんです。そうですよ、だから今まだこうしてみんな生きているわけです。
それでもって世界が終わると言われて移った世界というのが、ええ、実は今夜終わると言われている、今わたし達がいる「この世界」だとその人言い張ってるんですって。2か月目に初めて行き会った人に話したとか。ややこしいですね。ややこしい上に……
おかしいですね。
この話おかしいですけど、きっとその人は妙な錯覚を起こしていたに違いないと

思うことにしました。

そうそう、呑気に構えてないで、売り切れる前にダフ屋から買わないといけないですね。その「新しい世界」への切符を

ね。


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フィクションです。
かーるさんの【超短期 if 企画 #明日世界が終わる前にという企画に乗ってみました。(かーるさんのもうひとつのアカウント)

ところで企画とは外れますが、もし本当に今いる世界が終わるとして、他にどこかに行きますか?と聞かれたら?
わたしはどこにも行かないかな~

だってわたし『帳面界』大好きですから←(え、その世界の話じゃ無かったか⁉(^▽^;) )

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今いる世界ってなんだろう。
何かの教えのように、もしかしたら大きな大きな存在の手の平の中で転がっているだけなのかも知れない。もしくは次元の違う世界があるのかも知れないし、見えない地底世界があるのかも知れない。
そうだとしても、わたしはこの破廉恥でも素晴らしい世界の中で泥臭く日常を生きていこう。







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