姉

わたしは姉とあまり仲がよろしくない。他人だったら仲良くなりたくないタイプだと言い続けてきましたわ。

詳しいことは書きますまい。ただ数年前に派手に喧嘩して、互いの連絡先を

ブロック

という手段に出ましたの。
昨年の母の手術の際に兄弟でライングループを作ったのが唯一。お正月に顔をあわせても華麗にスルーですわ。

ところが個人的に連絡したいことがあったらしく、わたしの個人ラインに突然アクセスがあり……

その時ふと思ったのは、多分母からすれば、兄弟姉妹仲良くしてほしいと思ってるだろうな、ということ。
そうなんですよ、大人げない。
そこで思い切って

「お姉ちゃんとラインできて良かったよ」と返しましたよ、ええ。

姉からは「あらそう、それは良かったわ。いつでもどうぞ」と、相変わらず多少上から目線で返ってきたんです。でも不思議と (笑) な感じでした。

＊

わたしは5人兄弟の二番目で、姉とは5歳離れている。小さい頃はずっと姉の後をついて遊んでいた。夕焼けに包まれた路地裏で、いつも姉と一緒だった。わたしからすれば、弟や妹達とは子供のころの距離感が違う。

考えてみれば、わたしは様々姉の影響を受けている。音楽はかなりの部分がそうだ。
姉はジャンルにあまりこだわらず、良いと思ったらすぐに購入する人で、この人もそのひとり。
カントリーの大御所ケニーロジャース。カントリ―ソングは全然興味が無かったのに、わたしは大ファンになった。
大好きなライオネルリッチーとは楽曲の提供以来、交流が続いている。約10歳差。ジャンルも全く違う。

思い出を道ずれにするも置き去りにするも、時間は動いている。

往年を知ればこのころ既にかなり声量が落ちているケニーは、80歳を超えて既に引退されている。もうこのふたりの共演を見ることはない。