【山形県小国町】若葉のふるさと協力隊2024 活動レポート
4泊5日の農山村ボランティア「若葉のふるさと協力隊」
今年も8月から11月にかけて日本各地で開催しています!
今回は、9月に実施された山形県小国町からです。
5日間の様子をコーディネート役を務めた31期緑のふるさと協力隊・佐々木さんにレポートしてもらいました。
●日 程:2024年9月20日(金)~ 9月24日(火) 4泊5日
●参加人数:3名
1日目 9月20日(金)
おぐにふるさと文化館で小国町の地理的概要や歴史について見て頂きました。その際、地域おこし協力隊の欠端さんが案内&説明をしてくださいました。欠端さんはおぐにふるさと文化館の開館に重要な役割を果たしてきた方で、協力隊3年目ということもあり小国町の概要がとても理解できました。特に若葉の方々の目を惹いていたのは展示室にある昔の道具たちで、普段見ない道具を不思議そうに見ながら何に使うものなのか欠端さんに尋ねていました。自分も欠端さんの説明を聞いて、初耳がいくつかあって驚きました。
案内終了後、拠点となる玉川に向かい、到着後すぐに芋煮会の準備を始めました。若葉の方々と新潟大学のFホームの方々が主体となって、地域の方にサポートしてもらいながら準備を頑張っていました。若葉の方々は初めて作る芋煮に戸惑いながらも楽しく喋りながらやっていました。地域の方々が集まり、時間通り芋煮会を開始することができました。みんなでワイワイ盛り上がり、あっという間に時間が過ぎていきました。若葉の方々は地域の方のお話を興味津々に聞いていて楽しそうでした。
2日目 9月21日(土)
午前中はとよ子さんの実家でこんにゃく作りをしました。こんにゃく芋を茹でて柔らかくし、ミキサーにかけるところから丁寧に教えてもらい実際に手を動かしました。3人ともこんにゃく作りは初めての体験でとても楽しそうでした。こんにゃく作りは茹でる時間が大半を占めたので、その間に信一さんととよ子さんから聞く子どもの頃の話が面白かったです。一番印象に残っている話は信一さんがスキー中に骨折した時、ソリに乗せられて「痛い痛い」と言いながら何人かに引っ張られ、何時間もかけて町中に向かった話です。当時の過酷さがよくわかりました。
午後からは信一さんの案内のもと、マタギの館で展示資料を見せて頂いた後、旧小玉川小中学校の見学をさせて頂きました。
マタギの館は飲食業がメインですが、マタギに関する展示物が揃っている場所でもあります。そんな場所で昔使用していたカモシカの毛皮で出来た羽織ものを試着して楽しんでいました。若葉の3人が一番驚いていたのはここで食べたデザートでした。ここの手づくりのワッフルは今まで食べたワッフルの中で一番おいしいとみんなで口を揃えて言っていました。
旧小玉川小中学校では、これまで学校に関わってきたものたちが残されていました。当時の写真や地域の方の寄贈物による展示室を見ることができました。若葉の3人と一緒に自分も初めて旧小玉川小中学校に入り、美術館にいるかのように隅々まで見回らせてもらいました。3人とも真剣な眼差しで色々なものを見ていたように感じました。
夜は地域おこし協力隊の方々とBBQをしました。年齢層が近いということもあり、盛り上がるまでにあまり時間はかかりませんでした。ただワイワイ話すだけでなく、同世代の意見交換の場になっていたようにも感じられました。自分も普段聞けない話を聞けて良い機会でした。
3日目 9月22日(日)
稲刈りをする予定でしたが、あいにくの雨により民宿奥川入のお手伝いをすることになりました。
午前中は食器洗いに部屋掃除、布団上げなどをしました。人手が多いおかげで作業が早く終わり、お昼まで少し時間が出来ました。その時に尚美さんと若葉の3人で話をしました。聞き手だと思っていた尚美さんが話し手になってしゃべり続ける話を面白そうに若葉の3人は聞いていました。
午後からは雨が止んだタイミングで野菜収穫と小豆もぎを体験することができました。雨の間は民宿のお手伝いをして、空いた時間にマタギの取材映像を見せてもらいました。民宿奥川入の隆蔵さんと拓さんがマタギで、その2人が所属している小玉川班を取材した時の映像でした。若葉の方々に加え自分も初めて見る映像でした。マタギが自然と人間の間ですごく重要な役割を果たしていることが分かりました。この映像を見た若葉の1人が「マタギになりたい」と口にしたときは驚きました。
夕食は民宿奥川入の3人と宿泊客の3人、若葉の3人と自分を含め計10人で食卓を囲みました。3日前にたまたま隆蔵さんが獲ったイノシシのイノシシ汁や拓さんの手づくりピザなど美味しい料理が沢山食卓に並んでいました。それをみんなで美味しそうに食べながら楽しくお喋りしました。若葉の方の中には初めてイノシシを食べる方もいて、嬉しそうに頂いていました。
4日目 9月23日(月)
天狗平ロッジで信一さんと地域おこし協力隊数名に若葉と自分で芋煮会をしました。みんなで芋煮会の準備をしつつ遊んだりもしてお昼まで過ごしました。準備が整いみんなで芋煮を囲んだときにお箸がないことに気が付きました。どうしようと迷っていたら信一さんが近くの木の枝を折ってお箸っぽいものを作り始めました。それに倣ってみんなでマイ箸を作り、細かったり太かったり、短かったり長かったりと個性豊かなお箸が出来上がりました。信一さん以外は枝でご飯を食べるという初めての経験を面白がっていました。信一さんのように「無ければ作る」に慣れている人になりたいなと思いました。
午後からは温身平という森林セラピーロードを午前中のメンバーで歩きました。木肌が白いブナの森で普段見る森とは違う景色で若葉の方々も感動している様子でした。時間的に手前の方で引き返しましたが少しでもブナの森を歩くことができて良かったです。
その後、玉川のコミセンで発表会の準備に入りました。特に何も言わなくても自分たちのやり方で準備を進めていました。発表会には役場の方と地域の方数名に来て頂きました。自分たちの発表スタイルを貫いて堂々と発表している姿に尊敬しました。
夜は役場の方と若葉の方でたこ焼きパーティーをしました。この4日間になかった話題で盛り上がっていて、まちづくりについての話し合いが盛り上がっている場面も見られました。ゆっくり役場の方と話す時間は自分にとっても貴重な時間でした。
5日目 9月24日(火)
最終日は地域おこし協力隊の北風君に木工体験をさせて頂きました。ゆったりとお話をしながら丁寧にヤスリがけをしてブックスタンドを作りました。仕上がりにそれぞれの性格が出ていて面白かったです。完成したブックスタンドはお土産として持って帰らせていただけました。それぞれ愛着が沸いていたので、大切に使って欲しいなと思います。
これで最後のプログラムが終了し、お別れの時間になりました。意外とお別れはあっさりしていましたが、またどこかで会える気がしました。長いようで短い5日間が終わりホッとする気持ちと寂しい気持ちになりました。この4泊5日が参加者のみなさんに良い影響を与えられていると嬉しいです。
【緑のふるさと協力隊・佐々木さんの感想】
「若葉のふるさと協力隊」を通して学んだこと・感じたこと
・自分もまだまだ小国町のことを知らないなと気付かされた。
・初めて小国町に来た人たちのことを見ていると自分も初心の心を取り戻さないといけないと思った。
・これまでに似たようなことで半日のプログラムを考え実行することはしたことがあった。しかし4泊5日という長いスパンの計画を立てることは初めてだった。プログラムを考える中で何パターンも想像し、何が一番参加者にとって面白いと思ってもらえるかを常に考え計画していた。プログラムを作る段階でもっと面白いことができたのではないかと後悔した。
・若葉が来る前の事前準備で何が必要なのかを全部書き出しておけばよかったと思った。それをしなかったわけではないが、リアルに考えることがあまりできていなかったと反省した。
・小国町の普段お世話になっている人とかなり親密な関係になっていると若葉の子たちに言われて気付いた。
・もっと若葉のみんなに楽しんでもらえるように立ち回ることができた。
・事前準備をもっと入念にする必要があった。
「若葉のふるさと協力隊」を振り返って
受け入れをしてよかったと思う。スケジュール調整から事前準備、当日のコーディネートまでかなり大変だったけど、その分楽しいことや学べることがたくさんあった。それが受け入れをしてよかったと思う一番の理由。
そして全体を通して一番感謝しないといけないのは今回のプログラムに協力していただいた地域の方々で、来てもいいよというだけでなく全面的に協力してくださる方がいなければこのプログラムは成り立っていなかった。
自分の中でも今回のプログラムが良かったのか悪かったのかが分からない。まずは参加者の感想を聞きたい。