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森の情景

ロベルト•シューマン Op.82

森の入り口~
そこは気持ちがはやり
ワクワクした足取り
特に初めて入る時の好奇心と言ったら、他のどんなことに例えられるだろう
物言わぬ精霊に挨拶しに来たような
初対面であまりズカズカと無遠慮に踏み入ってそれらを怒らせてはいけないような
それとは逆に心は徐々に
不安よりも快活な喜びが満ちてくる
ようこそ不思議さん
そう私を呼んで
来るのを待っていてくれていたような
やっと会えたねとコロコロと笑いながら私をその中へ中へと導き入れ
いざなう森の精霊たち
そこは思っていたより深く
広く静かに
佇んでいて
どこか懐かしく

孤独な花~
人知れず誰も来ないような所で無数に咲くハスの池
絶妙なナチュラルエコーで鶯の鳴き声が空気を独占する

親しみのある風景~
いつのまにか私の足元に蝶々が現れて道を案内してくれる
間隔のある木々の上で鳥の囀りが響いて振り返ると童話で読んだような森の中の一軒家
人がここで暮らしを営んでいるなんて理想すぎる現実

別れ~
私にとっての現実の世界に
戻らなくてはならない時間
名残惜しくて
必ずまたここに来ずにはいられない自分が森に挨拶している
だってもう友達だから





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