お母さんのルージュ
子供はお母さんのお化粧品を持ち出して自分の顔に塗ってみたりするものなのだろうけど
どうしてか
自分が母親になると子供がそんなことをしているのを見つけると
やめて欲しいと思ってしまう
私のものを使われて嫌なのではない
無垢な素肌にそんな余計なものを塗って綺麗な肌の健康をわざわざ損ねる様なことをさせたくはないのだ。
自分だって通ってきた道であるが
ちゃんとその辺のことには気を遣って選んで使ってきた。
なるべく自然由来の材料で作られた肌に害の少ないものでないといけませんよと、最初に母親に教えてもらっていたからというのもあったと思う。
化粧品の怖さ、取り返しのつかない色素沈着など、本も読んだりして、
むやみやたらに、雑誌やテレビの広告に踊らされて買ってみたりはしなかった。
私が普通の可愛いもの好きの女の子らしい女の子ではなかったのかもしれない。
キラキラしたもの派手なものは苦手だった。
ヒラヒラしたブラウスやスカートも
透け感のある洋服なども極力選んでいなかったと思う。
肌の色も白いほうではないから、赤やピンクの口紅も似合わなかった。キャピキャピ女子大生というのがトレンドだったバブル時代なのに。
結局今でもあんまりそう言うものは自分らしくないと思っている。
とはいえおばさん年代で、黒やグレーやベージュや茶色の服ばかり着ている日本の女性達は本当は好きじゃない。
かと言って年甲斐もなく髪を色んな派手色で決めたつもりのおばさんも、フリフリのスカートや目立つファッションも恥ずかしいと思う。
何となく、
自分の母親の美意識というか
品のある上級者のおしゃれを目指す大人になりたいと、どこかで思っているのかな。
口紅一つ。
母の使っていたブランドの赤色を手に取ってみる。
椿の赤。真っ赤だけど嫌味のない。
母の日に
88になった母にプレセトしようと思う
私はピンク色の椿色をつけてみる
案外似合うじゃないか。
やはり質は重要。
何でもいいわけじゃない。
子供にも伝えたい椿色。
今日は眉カットにも行ってきたから、ちょっとだけ女が上がった気がする。
さあ仕事に出かけよう。
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