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燃ゆる音に


一人はいいもんだ
週明けの朝
家族が出て行った後に聞こえる音に
耳を傾けている

キャンドル作家さん鎌手作りした木芯蜜蝋キャンドルに火をつけると
微かに炎が揺らぎながら音を立てる
アロマディフューザーの蒸気を噴き上げる小さな音や
足の下にセットしたフットマッサージャーの音が
ハーモニーを奏でるこの小さなお部屋
暫しのリラクゼーション

働く時は働いて
休む時は休む

金曜日に換気扇のフィルターを取り替えてあるので
今朝はキッチンの壁や冷蔵庫やタイルのグリースを、換気扇周りの油とともに拭き取って
トイレも掃除したあとは
この小さな家族の住む小さなお家のことを思ってみる

やり尽くすくらいいろんなことをやってみて
やっぱりこの借家住まいでは狭くて頼りなくて仕事で疲れた身体を休めてまた英気を養うには心許ない

仕事柄色んなお宅をお邪魔した
ここなら落ち着くな
と思う家は中々なく
都内ではやはり六本木一丁目や神谷町あたりのタワマン内は静かで重厚感があるけど、日本人より中国のお金持ちが住んでいるのか
たまたま私が訪問したお宅がそうだったのかもしれない
都心の駅から徒歩1、2分なんて所に有るタワマンは何の音もなく静かだった
そんな所に、用もないのに上がり込んで行ける人は居ないので
私の仕事はやっぱり特殊だと思う
しかも、私はこんな所に住んでいるのよ、という自信に満ちた暮らしぶりの人達だから
だいたい部屋の景観は、東京のシンボリックなものが見えたりする。
うーん、勝ち組なんだ、この人達は。

だけどそもそも東京がちょっと特殊なんだろう

手を挙げればタクシーがすぐ捕まえられる場所に住んでいる人たちには
車も必要ないだろう
それでもベンツやjeep、ポルシェが並んでる。
一部の富裕層が住めるこの界隈に
週に一度でも行ってた頃はしんどかった
今もそこそこそれに近いエリアのお宅に伺っているけれど
周りがビルばっかりの先ほど述べたような地区ではない。
五人しか居なくなった生徒さん達は
皆さん付き合いやすい方達ばかりで
選り好みしてきたわけでもないのだけど、自分に合い、無理をしなくても対処仕切れる方達ばかりが残っていると思う。

もうちょっと頑張っていけば
のぞみが叶うのかな

フットマッサージャーの音が
アイドリングの音にも聞こえてきた

私のアイドリング
還暦までには発進して
またエキサイティングなセカンドライフを始めていければいいな

暑い夏も
寒い冬も
ありがとう

私を鍛えてくれて






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