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lake in finland

先週末フィンランドのホストファミリーに森の中の湖のほとりにあるコテージ( フィンランド語でモッキ/mökki )に連れて行ってもらった。フィンランドの暮らしには欠かすことのできないモッキ。国内には500,000近くのコテージがあるのだとか。伝統的なモッキには電気も水道もなく、焚き火をおこして、キャンドルに火を灯し、湖の水を汲んで生活をする。パパとママは夏の間の四、五ヶ月をここで過ごすのだけど、冬の間はそうもいかないので、天気の良い週末を見計らって一泊二日で遊びに来る。目の前に広がる湖( 厳密に言うと湖ではなく池らしい... )の周りには彼らのモッキしかない。つまりプライベート湖、なんて贅沢。

フィンランドには氷河形成の痕跡による湖が約188,000もあるそう。私が滞在しているサビタイパレ( Savitaipale )という町はヨーロッパ最大の湖水地方に属していて、本当にそこらじゅうに湖がある。湖の水はとても澄んでいて普通に飲むことができる、しかも美味しい。湖の水でお湯を沸かして珈琲を淹れたり、スープを作ったり。夜になるとパパがサウナを用意してくれる、サウナの後は裸で湖に飛び込む( 本当は飛び込まない、そろりそろりと入る )。何事も湖なしでは始まらないのだ。面白い。


湖のほとりで過ごした一泊二日は本当に穏やかで美しくて、夢の中にいるみたいだった。デッキの椅子に座って焚き火の音に耳を傾けながらぼんやりと湖を眺めたり、森の中を鼻歌を歌いながら散歩したり、ママのレクチャーを受けながらきのこ狩りをしたり、お腹が空いたらソーセージとパンを焚き火で焼いて、チーズと一緒に食べる。

森の中で木々の隙間から見えた光も、オレンジからピンク、紫に変化していく夕陽も、真っ暗闇の中で見た星空も、藍色から少しずつ白んでいく朝日も、完璧だった。

モッキでは「何もしないこと」に価値があるのよ、とママが言っていた。何もないこの静けさの中に身を置くこと、その時間が大事なの、と。日本を離れてなんだかせわしなく過ぎた一ヶ月、このタイミングでフィンランドの穏やかで温かい文化に触れることが出来て本当に嬉しい。

#note #finland #lake #cottage

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