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学校での感染対策に関する教職員・保護者アンケートの結果のご報告

全国の多くの自治体で学校が本格的に再開し、withコロナの学校生活がスタートしています。

先日、各学校でどのような対策が行われているのかを可視化し、それについての教員や保護者の意見を知りたいと考え、【保護者・教職員向け】学校等での感染防止策に関するアンケートを実施し、99名の方にご協力いただきました。以下、アンケートの中の「ご自身の勤務校やお子さんの通う学校におけるコロナ感染対策で「“なんとなく"で科学的根拠が薄いのでは...?」「本当に要る?意味ある?」「子どもや職員に負担が大きすぎる」と思われる事例があれば教えてください。」という項目の回答を中心にピックアップしてご報告します。ご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました。(結果をオープンにするのが遅くなってしまって申し訳ありません)

文科省の通知では・・・?

基本的な感染症対策の実施として、1. 感染源を絶つこと(症状がある場合は登校させないことの徹底、検温など健康状態の把握)、2. 感染経路を絶つこと(手洗い、咳エチケット、消毒)、3. 抵抗力を高めること。集団感染のリスクへの対応として、1.「密閉」の回避(換気の徹底)、2.「密集」の回避(身体的距離の確保) 、3.「密接」の場面への対応(マスクの着用)が挙げられています。基本的にはこれに基づき、各教育委員会や学校において感染対策がなされていることになりますが、この通知の内容をどこまで徹底するか(マスク指導をどこまでやる?消毒の頻度は?など)、現場ごとに判断に苦慮しているのが実情です。徹底するほどゆとりある教育環境から遠のいてしまうことが多いでしょう。また、通知でMUSTとは言われていなくとも、おそらく「念には念を入れて」「やれるだけやったほうがいいだろう」という判断のもと、さまざまな"感染対策"が行われていることは、多くの人がニュースなどで知っていることだと思います。

教職員・保護者が疑問や不安を感じている学校でのコロナ感染対策とは?

<マスクの常時着用>

登下校のマスクはかなりしんどいようです。
体育の授業中も常にマスクなので、息ができないと聞いています。
マスク必須でお喋りをする事も中々許されず、新一年はお友達が中々出来ず、寂しい思いをしているのかなと感じます。登下校中もマスクは、小さな子供達には負担でしか無いと思います。思い切り息を出来ない事の方が身体を弱めて危険だと思います。後、恐怖心や人との触れ合いが無くなるのが1番悪影響だと考えます。
マスクをして授業をしていますが、喋っていて息苦しくなります。特に最近気温が高くなってきて、雨も降りジメジメしている中ではかなり辛いです。エアコンが昨年度設置されましたが、複数の教室が同時に使用するとブレーカーが落ちたり、電気代がうなぎのぼりになるので、普通教室優先で勝手に使用しないように管理職から言われていて我慢するしかない状況です。せめて換気をこまめに行いながらエアコンでも使えたらかなり違うと思いますが‥.予防のため仕方ないのかもしれませんが、学校が再開してかなり疲労がたまっています。子どもたちも疲れているように感じます。
マスクのできない過敏な子や、呼吸が苦しくなってしまう子に対しても、一律マスクの着用を求める。
先生が見ていない所ではマスクを外して会話していると言う話も聞きます。
何故必要なのかを皆で考える時間を持つべきです。そして選択させて欲しいです。登下校時にマスクは必要ないと考えます。
親としてはマスクは夏に向けて熱中症が心配です。何処で誰が発言しているのかわからないし、表情が読めなくて困惑していると一年生の娘がいっています。
登下校中のマスク、放課で外遊びの際のマスク。基礎体温が高い成長期の子どもは身体を動かした後のマスク内の温度は大変高く、息苦しさから体調不良に伴う精神的ストレスで学校に行くことが困難になりました。現在も行きたい意思はあるけれども授業中含めて息苦しさには耐えれないと休む選択をしている状況です。幼児は器官が未熟でマスク未使用が可能ならアトピーや喘息などで マスクにより体調不良を起こす成長期の子どもたちもマスク使用は負荷がかかりすぎます。感染拡大を優先するのか子どもの体調 安心を優先するのか。多汗な季節にもなりマスクの衛生面を含めても学生や子どものマスク使用が完全な予防策には該当しないと思います。ー中略ー先生方や 子どもたちしっかり現場の声を聞き人権を尊重して頂きたい。また 教育委員会のマニュアルがあるも各校の判断に委ねて頂きたい。

<検温・健康状態の把握 / サーモグラフィ>

文部科学省の校舎に入る前または、世田谷区の教室に入る前の健康観察。手洗いを徹底させてからの通常時のような教室での丁寧な健康観察の方がよっぽど体調不良の児童の餞別ができる。世田谷区ガイドラインでは、教室に入る前なので、廊下は手を洗うのを待つ子、健康観察を待つ子で溢れかえり、密を防げない。校舎に入る前にしても、大雨や熱中症を考えるの、実施が難しい。
教育委員会の指示が曖昧。特に37度以上でチェックというのはエビデンスが不明。この季節、自転車登校して来るだけで37度を超える生徒は多い。1000人規模の学校で養護教諭1人の現場の状況を全く理解していない。
毎朝登校時に教室に入る前に健康観察表で検温チェック。生徒が家で検温してくるが、平熱が36度後半の生徒がほとんど。37度超えたら保護者連絡して帰すことになっているが、37度を基準値にしていいのか?
市が導入した各校の校門に設置するというサーモグラフィー。

<プロではない教職員による消毒作業>

子どもが触るかもしれないと思われるところや共有物全てのアルコール消毒。
図書室の本の消毒。これにより、休み時間に図書室が開放されなくなりました。
どこまで消毒すれば良いのか、対策を考えれば考えるほど分からなくなってしまいます。
消毒の意義はわかるが、児童下校に消毒では、規模が大きすぎて毎日勤務時間外になってしまう。負担が大きい。
子どもたちが下校したあと、教室、共有スペースの消毒。トイレの消毒。業者でもない素人の作業は、既成事実にしか見えない作業となっている。
次亜塩素酸ナトリウムでの消毒をしてくださっていますが、子どもはもちろんのこと、先生の健康被害が心配です。感染症対策は手洗いで十分だと思います。

<ソーシャルディスタンス>

ソーシャルディスタンスのため特別教室で授業を受けているそうです。ところが椅子がいわゆる丸椅子でそこで通常通りの時間で授業を受けるのはとても負担だそうです。きっと考えての対処だと思いますが子どもの負担は環境的なものも大きいです。
過剰なまでの「そこ、密にならない!」という指導。

<授業中の活動制限>

音読はフェースシールドをしてマスク着用でしている。
体育授業で、用具(ボール、バトン、跳び箱等)の使い回しは禁止。もしくは使用後に全消毒。
今年度はプールが禁止されています。文科省の通達では、水泳はむしろ安全となっていますが、理由が明らかにされないまま、禁止になっています。
合唱禁止 楽器(リコーダー)禁止
授業中生徒同士のグループワーク禁止
子供達は小さいので、どうしても密集して遊ぶ。距離をとるのも大事で、子供達自身慣れていかねばならないが、大切な幼児時期の共同作業や集団遊びなどがしずらくなり、難しい。
体育や中庭に出ることの中止。広い運動場に出る方がどう考えても密ではないのに、疑問がある。コロナのリスクと子供の体調、肥満、心の疲労など、のリスクを天秤にかけた場合、どちらがメリットがあるかは一目瞭然。

<フェイスシールド / パーテーション>

先生自作の頭から被るフェイスシールド。首まであり暑い、黒板の字が歪んで見える。この先生の授業の時は被るのが絶対です。そもそもマスクでいいのにと思います。フェイスシールドはやり過ぎです。
障害のあるわが子(小学生)の給食中、介助員さんにフェイスシールドとゴム手袋を着けさせること。(介助と言ってもほぼ声かけのみです。)さらにそのフェイスシールドとゴム手袋を保護者が用意するよう言ってくること。
大阪市内小中学校で、先生と子どもたちがフェイスシールドを着用すること。 マスクもして、フェイスシールドもする、感染防止策としてそこまで本当に必要なのか。松井市長が発言したから…従わないといけないのか。 1日中、暑くて、不快感を感じる等の負担を考えるとデメリットの方が大きい。
フェイスガードがまもなく来ます。工業高校の方々が作って下さり、無下に断れない。
最悪の想定や未然防止は分かるが、フェイスシールドの着用やビニールカーテンの設置など、レベル1の仙台市の、医療現場でもない学校現場においては、明らかに過剰な対応であろう。それが、保護者にとって「自分の学校はやってもらえないのか?」という不信感に繋がることもあり、地教委としての明確な指針(ガイドライン)と助言が必要。
児童机上に取り付けるパーティションとその消毒。

<遊びや会話の禁止・制限>

休み時間も今のところは校庭で遊べず、部屋で自由帳に絵を描いているそうです。コロナ対策を熱心にするあまり、校庭で遊べるようになっても、ドッジボール・鬼ごっこは禁止で、マラソンや一人縄跳びを推奨するようです。学校では殆ど友達と喋っていないようですし、放課後も友達を誘って遊ぶ雰囲気ではく、ここ数ヶ月殆ど同じ年頃の子と遊んでいません。友達の身体を支えてあげるなどの助け合いも控えましょうという雰囲気で、子供の心の育ちをどうしていけばいいのか悩んでいます。
子ども達が会話をしてはいけないこと。
小学校の休憩時間はマスクしたうえにフェイスガードをしたら、友達とおしゃべりしても良い事になっている。
おにごっこ、読書、ボール遊び禁止。
休み時間に、会話をせずに着席して、静かに過ごす。
休み時間でも校庭に出て遊べない。
運動場の使用禁止。

<無言給食・おかわり禁止>

給食のおかわり禁止。最初の配膳で量を決めて、食べ終わってまだ食べられるのにおかわり禁止だと、お腹空いたまま午後の授業を受けなきゃいけい子どもがいるし、給食が余ったままなのも、もったいない。
給食の時間、支援が必要な子の介助員(有償ボランティア)に対し、フェイスシールドと手袋の着用を求めている。それを保護者に準備させようとしている。
配膳時の感染リスクが高いからと給食のおかわり禁止にしていること。一度誰かが握ったお玉やしゃもじをほかの人は絶対使用してはならないというルール。

<子どもに配膳などをさせない>

給食の配膳を職員がする
掃除を子どもにやらせず、教員がやっている

<そもそもの疑問>

そもそも、今回のウィルスの場合、子供同士の感染事例は極端に少ない。インフルエンザと同等の対応で学校は良いのではないかと疑問。本当に、行事中止と先生生徒の除菌、ソーシャルディスタンスが効果的かどうか、絶対検証しなおすべきだ。
遊びや体育についての制限。例えばサッカーなど、用具を使った遊び・スポーツを禁止しているが、果たしてどの程度根拠があるのか不明です。おそらく、同じ用具を共有するという点で、リスクがあるということなのでしょうが、子どもたちはそれ以前に、休み時間などには互いの体に触れ合って生活しています。サッカーのことに限らず、ある部分だけ制限して、それ以外については制限しないというのは、全く意味がないばかりか、子どもたちに不信を与えてしまうと感じています。
ある場面だけで対策をして、他の場面では対策をしない、というのは感性症対策として全く意味がないと感じています。他の場面でもそれができるのか、学校外でも同じような対策がとられているのか、という観点で見て、不可能なことについてはやらない、という選択をしていかないと、教育活動に支障を来してしまいます。
午前と午後で半分ずつの分散登校をしていて、午前組が帰った後、そして午後組がかえった後の二回、教室の机や椅子、そして廊下のドアや窓まで消毒のために拭き掃除をしています(使ってる薬品の名前は忘れました)。ですが、休み時間などでは近距離で会話をしていたり、子ども同士の接触を全て防ぐことができていないので本当に意味があるのかわかりません。
対応していますというパフォーマンスにしかなっていません。
給食は前向いて無言で食べる、授業中生徒同士のグループワーク禁止、でも休み時間や放課後は生徒同士密に遊ぶ、という矛盾。
感染管理の専門家の指導やアドバイスをうけているのか疑問。保護者への説明がやや少ない。先生方が感染対策の根拠や理由を把握して行動されているのかも疑問。

<その他の違和感やモヤモヤ>

二週間は分散、個別登校したが、6月15日からは急に集団、給食も再開。その根拠がよくわからない。
有効性の示されないまま負担の大きい施策に唐突に振り回されてる感がある。終息してきてるようにも見えるが、今だからこそ、次回感染爆発した時のためにより有効な対策を考えておくべきだと思う。
科学的根拠のない市からの命令に対して管理職が自分たちで考えるのでなく近隣の学校に合わせるだけしか出来ないのが指導者として中身がないように感じる。生徒の安全を考えるなら周りの意見ではなくもっと現状を見てほしい。
正解の対応があるわけではなく、やったほうが安心というレベルで重労働になっている。
マスクをしていてもペアワークはだめなのか?音読も小さい声ならOKなのか?基準がわからず、授業づくりで困る。
教育委員会の指示が曖昧。特に37度以上でチェックというのはエビデンスが不明。この季節、自転車登校して来るだけで37度を超える生徒は多い。
教員の理解が乏しく、何度も周知しても、どのクラスも同じ水準で感染対策をしてるように感じない。
完璧な感染対策などはあり得ない。子どもたちの精神衛生や通学意義(心身の成長)を考慮した、科学的根拠に基づいた適度な対策を行うしかない。それを不安な保護者には正直に誠意をもって説明し、理解を求めるしかないと思います。そのためには本来は、保護者に他の選択肢があるべきだと思っています。が、今の現場にオンライン授業まで用意させるのは不可能だと考えます。

逆に、教職員・保護者が良い・重要と感じている学校でのコロナ感染対策とは?

●マスクとこまめな手洗い
●遊具は消毒が難しいものを除いて使用させる(手洗いを重視すればよい)
●ないです…
●マスクの着用。食堂の閉鎖。
●特にありません
●強いて言うなら分散登校です。やはり、授業時間や登校の際にかなり密をへらせていると感じます。
●非接触型の体温計による入校前チェック
●ひとクラスの人数を減らす。
●リモート会議
●ひとクラス40人だが、2クラス午前と午後に分けて授業している
●窓を開けて換気しながらエアコンをつけてよい、と学校医に言われたことで、熱中症予防とのバランスがとりやすくなった。
●休み時間の後、手洗い時間を5分設定しました。
●休み時間ごとの石鹸手洗い。このことで、授業中、普通の授業展開ができるから。
●熱中症が懸念されるようになり、すぐに職員会議で登下校時のマスク着用について議論してくださったこと。つけてもいい、外してもいい、という対応になった。が、子どもたちはほぼ着けてる。
●心のケアアンケートと弛緩法(リラックス法伝授)の授業。
●昼の体温測定(昼に毎日体温を測ったことがある児童生徒は少なく、昼の体温記録を蓄積させている。昼間は37℃を超える児童生徒も多いため、37℃を超えたら即早退させるということはなく、早退の指標になっている。)
●リモート会議、オンライン授業に向けての準備は、三密を避けながら、新しい生活様式の中で生きるために必要な措置。
●マスク着用、手洗い、消毒
●登校時、給食前後、掃除前後、休み時間後の手洗い(感染がお互いに防止される気持ちになり、切り替えやすい。)
●登下校時のマスクを取る。マスクを着脱する時間があり、外したマスクを入れる袋などの準備お知らせがありました。
●校長講話を教室で座って聞けるようになったこと。
●少人数授業
●昼食後の歯磨きの中止。園児間の飛沫防止に良いことだと思う。
●密を避けるため、クラスを半分に分けて分散登園。一日おきに登園することになる。保育時間も12時まで。子どもはゆったりと園で過ごし、教諭も、保育後の時間もゆとりを持って、保育準備をすることができている。
●日々の健康観察、マスク着用、こまめな手洗い指導、PTA活動の自粛。
●本校では、サーキュレーター二台と延長コードを各学級にPTA会費から購入し、基本的に常に換気。そして毎時間の手洗い。放課後の机椅子と手すり等の消毒。その上で、基本的にはマスクをして距離をあけての活動。これらを徹底することで、子どもたちにガチガチの行動制限をする必要がないという判断。休み時間は前後で手洗い。水筒持参。
●密を避けるため、クラスを半分に分けて分散登園。一日おきに登園することになる。保育時間も12時まで。子どもはゆったりと園で過ごし、教諭も、保育後の時間もゆとりを持って、保育準備をすることができている。
・定期的な、校内マニュアルの改訂。各部会での会議の際に、項目としてマニュアルの見直しについての確認がされるようになりました。
●オンライン授業、リモート授業。他人との接触を防げる。顔を見てコミュニケーションがとれる。他人との接触を防げる。・体調が良くないときは無理せず休みましょう、と普段から呼びかけること。コロナどうこうではなく当然のことだと思いますが、今回の問題を機にようやく言われるようになってきたと感じます。他人との接触を防げる。・机を透明なアクリルで囲って1人の空間をもつ。アンケートから見えてきたこと
●机を透明なアクリルで囲って1人の空間をもつ。

アンケートから見えてきたこと

現場がとても困っていること、負担を感じていること、かかる労力に対してこれは本当に意味があるのか?という思いを抱えていること、文科省や教育委員会が出している基準を実際に現場で運用することの困難。保護者も子どもに負担がかかる状況が続くことへの心配や懸念、対策への違和感があることが見てとれます。

ここからは私個人の意見になります。

フェイスシールドやサーモグラフィなどは今回のアンケートにおいては肯定的な声は見られませんでしたが、一方でその他の感染対策に関しては、教職員や保護者が疑問や不安を感じている感染対策と、良い・重要と感じている感染対策のかなりの部分が重なっていると言うことが気になります。

要るとは思うけれど大変。どこまでやるか(頻度など)という程度問題であり、徹底すればするほど息苦しくなる。「ちゃんとやってないじゃないか」と言われた時にどこまでやっていたら「いや、やってます」と言えるのかわからない。人ぞれぞれ基準が違い、感覚的で、専門家の意見と言っても、WHOすらマスクの有用性について途中で軌道修正したりしている中で、科学的根拠に基づいた対策とは何を指すのかが曖昧になってしまっている。そんな状況が見えてくるように私は感じました。

リスクをゼロにすることは不可能であるという状況下で、『感染者を出さないこと』vs『学校の本来の機能である学びやコミュニケーションやケア』&『学校組織の持続可能な運営(教職員の荷重負担を避けるべき)』ということがバッティングし、その比重についての価値観や感覚が教職員の間でも保護者の間でもバラついている。もっというと一人の人の心の中にも両方の声がある。そのため「これでいいのか?」「そんなことまで本当にいるの?」「それで感染者が出たらどうするの?」というコンフリクトが学校園を取り巻く人々の間で渦巻いている。そんな状況に思えます。

今後のwithコロナの学校運営について思うこと

非常に難しい状況ですが、少なくとも3つ言えることがあると思います。

1つは、「少なくともこれはしなくていい」「この対策をしたうえではこの活動はやって大丈夫」と言うことを1つずつ明確にしていく必要がある、ということです。例えば、フェイスシールドが不要であることは複数の医師会が指摘しており、必要だという専門家の意見は私が調べた限りありません。また、文科省はマスク着用について基本的には常時着用が望ましいがソーシャルディスタンスが確保できる場合や、体育の授業、熱中症リスクがある場面などは着用する必要がないことや、水泳に関しては水中感染のリスクは少なく、プール水の遊離残留塩素濃度を適切に管理し用具の貸し借りをしないなどすれば実施可能としているなど、基準を示しています。学校ごとの事情で難しい場合もあるかと思いますが、基本的には「最大限の感染対策をして心配な活動は自粛する」のではなく、「最低限必要とされている対策を講じつつ、やれる活動はやる」方向に切り替えるべきではないかと思います。

2つ目は、上述したような葛藤を抱えた緊張状態を長く保持するのは、多くの人間には難しいため、学校での感染対策はこのままでは遅かれ早かれ「なぁなぁ」になっていくと私は見ています。フェイスシールドなどエビデンスのない過剰な対策が「なんとなく消えていく」ことはアリだと思いますが、同じように必要なことがなされなくなるとすれば、それはリスクが高いなと感じます。その意味でも、大人にとっても子どもにとっても続けていくことが可能なことを精査し、習慣化していくことが急務なのではないかと思います。無理なことは無理と割り切ることも重要だと思います。例えば、子どもたちが会話せず、全く触れ合わずに学校で楽しく過ごすことは無理です。徹底的に管理すれば可能かもしれませんが、それはもう教育の場ではなくなってしまいます。今回のアンケートではあまりに考えること・やることが多く疲弊していると教職員の声が多く寄せられました。第2波・第3波が来たらまた対応を変えることになるでしょうが、現時点では「持続可能性」は精査するときの1つのポイントではないでしょうか。

3つ目は、感染対策に「子どもの参画」を、ということ。「これはしんどい」とか「嫌だ」とか、「もっとこうしたらいいんじゃないのか?」とか、子どもたちも意見があるはずです。大人が対策に必死になってしまうと、子どもたちの声を聞くチャンネルが狭くなってしまいがち。子どもたちにいろんなことをやらせず、禁止・制限して管理することに一辺倒になるのではなく、何が有効な対策なのかを教えたり、どうすれば効果があって持続可能な対策になりうるのか一緒に考え、子どもと共につくる感染対策をやっていけるといいよなぁと思います。同じように「保護者の参画」も大切だと思います。

実は、文科省・教育委員会は学校に指示・命令はできない

一般にはあまり知られていないことですが、文科省や教育委員会が学校に対してできるのはあくまで「指導・助言」にとどまります。だから、"おりてきた"方針が現場の実情に合わず、総合的に考えたときに子どもたち・学校にとってプラスにならないという場合には現場で柔軟に判断することができます。実際に、教育委員会の判断とは異なる現場判断として「うちはフェイスシールドはしません」「休み時間、運動場で遊べるようにします」という学校もあります。それは、すばらしい主体性だと思います。

保護者に多様な声がある(もっと感染対策しっかりして!と言う人も、やりすぎだ、もっとのびのびさせて!と言う人もいる)ということも、学校が苦慮する1つの要因だと思います。この状況下で、何か自分にできることがあればしたいと思っているという保護者の方の声もアンケートには多く寄せられました。心ある保護者の方は、今こそPTAとして動き、保護者の声を集約し保護者(オフィシャルな声としてのPTA)と学校の対話ができれば、かなり学校の助けになると思います。その中で具体的にサポートしてほしいことも出てくるかもしれません。今疲弊した状況にある学校を支える動きを社会全体でつくっていきたいものです。

以下、参考資料です





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