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【各学校でできること】教職員が在宅勤務でも子どもを支えられる環境を整えよう。

自治体によっては休校が延長されてから一週間が経ちました。子どもたちのために奔走している先生たちとずっとやりとりさせていただいています。日々刻々と状況が変わり、朝令暮改が繰り返される中で、どうにか子どもたちの安全安心と、学びの保障をせねばと、同僚を巻き込み、管理職を説得し、教育委員会に掛け合っている方がたくさんいらっしゃいます。
先日の記事は、その参考になればとの思いで書きました。以下に貼っておきます。

このままでは職員室がクラスターに・・・

一方で、そのように動いている教職員の感染防止はほとんどどの学校も厳しい状況です。「職員室が3密。クラスターになってもおかしくない。」「電車で通勤するのが不安」「妊娠してる先生すら在宅勤務にならない」「子どもが休校で家にいないといけない先生以外は職務免除にならないので、年休でしか休めない」「発熱で休んだ先生が下がって出勤してきている…」そんな声が届いています。

文科省は「在宅勤務や時差出勤等の工夫」を促している

文科省は「Ⅱ.新型コロナウイルス感染症に対応した臨時休業の実施に関するガイドライン」の改訂について(通知)のなかで、以下のように書いています。

教職員の勤務については、児童生徒等の学習の保証の見地から必要な業務を継続していただくことになります。その際には、教職員自身の健康にも配慮しつつ、在宅勤務や時差出勤等の工夫に努めてください。

現場や教職員組合からは、職務免除、自宅研修、在宅勤務、時差通勤、自動車通勤などの要望が各所で出ていたようですが、実際には市町村・都道府県の教育委員会レベルでストップがかかっていたところが多いようでした。(現行の教育行政の制度とその実態について、改めて考えさせられます...)

とはいえ、どうやら、現場の声によって、その判断も変わってきています。大阪府や横浜市、神戸市などが在宅勤務ありになる動きが聞こえてきていますし、遅かれ早かれ、どこの自治体も在宅勤務ありになっていく流れかと私は考えています。(まだのところは、ぜひ声をあげていきましょう。)
※小学校などは特例預かりをしているところも多いと思います。ここで想定しているのは学校に誰も来ないと言うことではなく、出勤人数が少なくなるように調整し、リスク回避をすべきという趣旨です。

在宅勤務でも、子どものために動ける環境整備を

教職員の健康も大事ですし、職員室がクラスターになるなんて地獄ですから、これはいい流れというか、当然だと思います。ただし、なんの対策もないまま、ただ単に「学校に来なくてもいい」になると、「子どもがほったらかし」になるという問題が発生します。実際にそれが発生する学校がそれなりにありそうでものすごく心配しています。ただ、以下の3つの環境整備をすると、在宅でかなりのことができるようになると思います。
  
(1)無料のグループウェアを導入してチャットでコミュニケーションが取れるようにする。
(2)無料のビデオ会話ツールを導入してWEB会議ができるようにする。
(3)無料のWEBストレージで ファイル共有やファイルの共同編集ができるようにする。
  
この3つです。3つ目は、やらなくてもどうにかなるかと思いますが、あるとなお良いでしょう。1つずつ説明します。

(1)無料のグループウェアを導入してチャットでコミュニケーションが取れるようにする

Slack(スラック)、Chatwork(チャットワーク)、LINE worksなど「グループウェア」と呼ばれるサービス(アプリ)があります。これは仕事上のコミュニケーションがスムーズになるオンラインのツールです。
その中で「学年」「分掌」「プロジェクトチーム」など、グループ分けしてチャット(複数人での文字でのコミュニケーション)ができますスマホでもタブレットでもパソコンでも見られるので、おそらくほとんどの教職員の方がアクセス可能でしょう。

ちなみに、以下の3つはいずれも、このあと紹介する(2)、(3)の機能も搭載しているので、オンライン通話もファイルのやり取りもできます。なので最悪これらのグループウェアだけ導入するといいと思います。なお、うちの事務所ではSlackを使っていますが、おそらく教職員の皆さんにとっての「とっつきやすさ」で比べると、LINE WORKSなのかなぁという気がします。サイトに初心者向けガイドという動画があるのも非常に分かりやすいです。

(2)無料のビデオ通話ツールを導入してWEB会議ができるようにする

zoomやSkypeなどのオンラインのビデオ通話ツールを使えば、複数人で顔を見ながら(資料も共有しながら)話ができるようになります。これができれば、在宅でも学校組織としての「意思決定」にはほとんど支障が出ないでしょう。ちなみに、上記のグループウェアにも音声・ビデオ通話機能はついていますが、やはりそれ専門のサービスであるzoomやSkypeなどの方が安定しているし、慣れれば便利かと思います。また、教職員間でzoomに慣れれば、おそらく自然に「これ、生徒向けにもできるね」となると思うのです。そうなった時にグループウェアについているビデオ通話機能ではそれはできないので、個人的には最初から以下のeboardさんのnoteを参考にそれ専用のサービスを導入しておくのがおすすめです。


ちなみに、自治体によっては、「この一週間、校長先生が毎日緊急・臨時の校長会に電車にのって参加しに行っている」という声も聞きます…。「都道府県教委ー市町村教委」「市町村ー学校」間のやりとりに、ビデオ会議を導入したら、コロナ対応の意思決定が1日、2日ぐらいのレベルで早くなると思います。今すぐにすべきです。

(3)無料のWEBストレージで ファイル共有やファイルの共同編集ができるようにする

最後にWEBストレージを紹介します。これは、「ネット上に学校全体で共有できるUSB(データ保管場所)があるようなもの」です。さらにすごいことに、GoogleドライブやOneドライブはリアルタイムで「共同編集」ができます。つまり、3人で同じwordファイルを見ながら一緒に「保護者向け文書」を作成する、みたいなことができます。私自身、初めてこれを使ったときはあまりの便利さに本当に感動しました。

セキュリティが気になるかもしれませんが、こういう大手のところはその辺りしっかり対策されているので、メールでファイルをたくさん送信し合うよりは、むしろ安全だと思います。

▼OneドライブについてはこのURLから(なぜか画像リンクが貼れなかった)
https://products.office.com/ja-jp/onedrive/onedrive-for-business

教職員の健康・感染予防と、子どもの安全・安心・学びの保障を両立を

ここまで書いたことを参考にしていただき、環境整備ができれば、在宅ワークや自宅研修が増えても、また出勤人数が減って「会議したいけど●●先生、今日在宅か!」となっても、大丈夫です。教職員の健康・感染予防と、子どもたちの安全・安心と学びの保障は、どちらも喫緊の課題です。両立する必要がありますし、それは可能です。ぜひ、勤務校で検討してください。

最後まで読んでくださってありがとうございました。 よろしければ、フォロー・サポートなどしていただけると、活動していくうえでとても励みになります^^