塔七月号若葉集から五首選

塔七月号若葉集から五首選んでみました。

ポケットのなかの小銭がなるひとに追い抜かされる春の訪れ   鈴木ベルキさん

死んでから評価をされた画家の絵をあなたの壁に掛けて出かける   石田犀さん

黒いガムを噛みつつぼくは誰にでもなれないけれどそれでよかった   篠本乃宇さん

ぼんやりと私をおぼえていてほしいぼんやりさみしいままいてほしい   古井咲花さん

冬の日は冷えたナイフの臭いして私はわたしに耐えられなかった   潮未咲さん


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