塔七月号月集から五首選

塔七月号月集から五首選んでみました。特に誰から頼まれたわけでもなく、メリットなど何ひとつないのに、この欄を読んでいる方の大半が私の月詠など読んでいないのに、それでもこの選歌を書くのはもはや意地でも根性でもなく、ただただ惰性です。

進歩やと信じてたころ兄の名はコバルトで妹はウランちゃん   山下洋さん

みつみつと咲き誇りゐるミモーザに胞状奇胎を想ふときの間   岡部史さん

ミラノ風ドリアをすくふ海をわたることなき生をおもひつつ食む   西村玲美さん

おのづから流れはありてりんご湯のりんご寄り来てまたさかりゆく   干田智子さん

わがかほの輪郭は繋がらぬまま笑顔でありぬ子の画用紙に   𠮷澤ゆう子さん

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