日記的な何か

 新しいパソコンが昨日自宅に届いた。僕はかつてのパソコンに用いていた諸々の設定をして、一息ついて疲れてその日は寝てしまった。人間というものは何かの欲望を持ち続けているけれど、いざそれが満たされると却って以前よりも空虚な気持ちになるもので、海水を用いて喉の渇きを癒そうとするような現象、ここに人間の救われざる悲しさがあると思うのだが、まったく僕の場合もそうであった。パソコンが届くまでは「届いたらこのゲームをやろう」とか「あんなこともしたい」などと考えていたものの、いざ玄関に届くともう駄目である。部屋に運ぶのすら面倒に思えて、なんでこんなものを大金出して買ったのであろうかと憂鬱になった。同じ金額を出して美味しいものでも食べたり一人で旅行すれば良かったのではと心底後悔をした。この手の憂鬱はなにも今回ばかりではない。僕は欲しい欲しいと思っても、いざ手に入ると人間が変わったかのように興ざめしてしまうのだ。女性関係がそうである。あの人のことが好きだ、付き合いたいと思っても、向こうから僕への好意を向けられるとなんだか呆気なく侘しい気持ちになり「なんだ、こんなものか」と思って遣る瀬無くなるのだ。かといって片想いを続けられるほどの忍耐力も生憎持ち合わせていないので、すぐに他の女性に気が移る。そんな事ばかりを繰り返してきた気がする。読者諸賢の中に僕に恋愛的な好意があると思われる人はいないし心当たりもないが、もし万が一にでもそういう気が少しでも起こりそうなら「悪いことは言わないから別の男にしておきなさい」と今のうちに助言しておく。明日もらえる一万円よりも今貰える千円を僕は選ぶのである。そんな男を選ぶんじゃない。要するに長期的な目線で物事を判断するのが僕にとって本当に難しく、頭では理解していても、即物的な判断を下してしまうのだ。僕のこれまでの失敗の半分、いやそれは言い過ぎかもしれないが、とにかくこの特性とも何とも言えないものの為に随分な数の失敗を重ねてきた気がする。この文章を書いている最中も、すでにもう飽き始めているのでリハビリという言い訳を添えてさっさと辞めることにする。気が向いたらまた書きます。

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