メイドインアビス~勧めるには度し難いアニメ~
『さぁ大穴へ――』
ずっと目には入っているけどなんとなく見るのは避けてる作品、ありますよね?
多分数えきれないぐらいたくさんあると思います
その中の一つ、「メイドインアビス」
この作品を見るのを避けていたのは謎の恐怖があったからだ
主な原因は絵
ぱっと見、というかどう見ても可愛い
土曜の朝8時半ぐらいに放送してそうな絵のキャラクターたちが描かれているが、なぜかこのアニメ深夜帯に放送されているのだ
いや怪しいやん
どう考えても内容がやばいことが伺える
そして実際に周りからも「あれはやばい」との声多数
自然と見るのを控えていた
しかし最近「BANANA FISH」を見てしまい
謎の鬱アニメブームが来てしまって
なんか行けそう、と思ってしまった自分は覚悟を決めて視聴を開始した
…今では本当に後悔している
☆あらすじ
巨大な大穴『アビス』の縁に築かれた街、『オース』で暮らす探窟家見習いの少女・リコ。ある日、探窟中に孤児院の仲間の少年・ナットが巨大な蛇状の生物「ベニクチナワ」に襲われているところに遭遇する。とっさの機転で注意を逸らしたリコだったが、今度は自分がベニクチナワに襲われてしまう。絶体絶命のその瞬間、突然辺りが閃光と轟音に包まれ、次の瞬間ベニクチナワは倒れていた。リコは周囲を探索すると、そこには綺麗な遺物と息をしていない機械が倒れていた。無事だったナットに協力してもらい機械を孤児院に持って行くことになった。
翌日リコはアビスのもっと奥深くまで進みたいと探窟家のリーダーに打診するが、リーダーはまだ許可してくれなかった。リコは母のような探窟家になることを夢見ており少しでもそれに追いつこうとしているのだ。その後リコは持って帰ってきた機械を目覚めさせた。話をすると、どうやら自分がロボットであることを忘れており名前も思い出せないようだった。リコは彼にレグと名付けアビスやオースの街を紹介した。
リコの友人であるシギーから、レグのような遺物はまだ発見されていない、孤児院から見つかれば確実に取り上げられることを忠告し、リコはそれならばいっそのことレグを孤児院のメンバーにしてしまおうという打開策に出て見事成功する。
そんなある日ハボルグという探窟家が深界から帰還し、その手にはリコの母親であるライザの白笛があった。白笛は探窟家でトップクラスの称号を表すものであり、彼女は「殲滅のライザ」と呼ばれていたが10年前に絶界行(ラストダイブ)を行い現在は消息不明となっていた。
母の白笛を受け取ったリコは母の書き残した手紙を閲覧する。そこにはレグそっくりの絵と「奈落の底で待つ」という文面があった。
これは自分に宛てたメッセージだ、と考えたリコはすぐにでも深界に向かおうとするが、深界は危険、二度と戻って来られないかもしれないと仲間たちと喧嘩になるが、レグが何者かを知るためリコに同行すると言い出し二人の決意は堅いものとなった。
一緒には行けないが最低限協力はする、と仲間たちの力も借りつつ、リコとレグはアビスの底へと向かうのであったーー
長くなってしまったがこんな感じだ。
物語の目的を語るためには3.4話までの内容まで踏み込まざるを得なかったのでそこは勘弁してほしい。
さて、これからリコとレグはライザのいるとされる深界6層と呼ばれる場所より下を目指していくわけだが、今のところただの冒険ファンタジーのような感じがする
そこでこの作品がなぜエグいと言われているかを解説していこう
☆上昇負荷
このメイドインアビスには「上昇負荷」という作中ではアビスの呪いとも呼ばれている設定がある
アビス内から帰還する際に必ず発生する謎の症状で、下に降りるぶんには何も起こらないが、一旦下に降りたのちに上に戻ろうとすると人体に異常が発生する。
上層の方だと軽いものは吐き気や頭痛程度なのだが、深層に潜れば潜るほどその症状は恐ろしいものになっていく
ちなみにライザのいるとされる第6層以下では人間性の喪失、もしくは死、が起こるらしい
ただ潜っていくだけならそんなの起こるわけないじゃん、と思うかもしれないが、
危険な生物に襲われて逃げたり、別ルートを進むこと余儀なくされたりすることもある
実際坂を登ることになったり、緊急で上方へ逃げたりすることがあるのだが、
いやこれがほんとにエグい
なんだろう、生々しい
レグは機械なので上昇負荷の影響はないが、リコはしっかり受けるし、しっかり作中で苦しんでる姿が描かれる
12歳の普通の女の子が吐いたり苦しんでる様を見るのは普通にしんどい
この上昇負荷の恐ろしさは実際に最終話まで見て実感して欲しい
きっと後悔する
☆メインキャラがほぼ全員子供
ちょっとさっきの上昇負荷のところで触れた内容と被るかもしれない
この作品はあらすじで紹介したライザ、探窟家リーダー、ハボルグ、その他数名以外マジで大人が出てこない
リコが12歳という設定なのでその他のキャラも大体±2歳ぐらいといったところだろう
なので危険な目に遭うのは必然的に子供ばかりというわけだ
先ほどもあったが子供が苦しんでる様を見るのはしんどい
別の漫画などでもしんどいっちゃしんどいけど何か違う、なんだろう、倫理観がない
これがこの作品の人を惹きつける要素、ギャップなのかもしれない
意外性があるって大事
☆度し難い設定たち
シンプルにキャラクターに設定されている出生だったり過去だったりがマジでど畜生
特にアニメ後半、劇場版になっていくたびに重たい設定がずしずしとのしかかってくる
後半につれて、ということは上昇負荷によるリコたちへの負担もすごいことになっていくので、それも相まっているのか必然的にどんどん重たい作品になっていくのだ
可愛い絵に釣られてきた視聴者たちを篩にかけるかのように、このアニメは度し難い設定を自分たちに叩きつけてくるのだ
☆劇場版は覚悟のないやつは見ない方がいい
いやこれはマジ
アニメの最終話を見たらまあ続きがさぞ気になることでしょう(途中でエグくてリタイアする人もいるかもしれないが)
しかし劇場版の「メイドインアビス 深き魂の黎明」はおそらく今まで私が見たアニメの中で最もど畜生な作品だ
アニメを乗り越えた人も正直すごいとは思う
グロ表現もあったりするので苦手な人はほんとに苦手な作品だと思うし、そうじゃなくてもきつい
しかし劇場版はアニメの辛いところ、グロいところを凝縮して8倍ぐらいの濃度にした恐ろしい作品だ
思わず目を背けてしまうような表現
「え、うそだろ…」と言ってしまうような悲劇的展開のオンパレード
それに反して相変わらず可愛い絵
衝撃の結末
果たしてこれらに耐えることができるのか
耐えたとしておそらくさらに辛い展開が待っている続編をこの先見ることができるのか
視聴者を篩にかけすぎた非常に度し難い作品である
ちなみに私は二度と見ない
以上がメイドインアビスに手を出してしまったばっかりに、結末が気になりつつも道中が辛すぎて見るのをやめてしまおうかと思っている男の感想である
果たして最終回に辿り着くまでに、この上昇負荷のようにどんどん辛くなっていく展開に耐えることができるのだろうか
シリーズ続編の製作も決定しているので楽しみでもありと同時に来て欲しくない気もする
あぁ度し難い…
ナナチは可愛い
異論は認めない