「不要不急」が「現実」になる
こんばんは。「片耳の歌う防災士のゴリィ」こと後藤です。新型コロナウイルスのワクチンの接種券が届きましたが、電話はさっぱりつながらず。
とはいえ、周囲の方が新型コロナのワクチンを打てば自分がうつされる確率も減るわけですから、ここは慌てず騒がず時期を待ちたいと思います。そもそも、「水腎症」の原因が分からないとワクチンを打つべきかどうかもなんとも言えない、となりそうですし。
さて、今回はもはや聞き飽きた感のある「不要不急」という言葉。これからの季節、コロナとは違う場面で使われることが出てきますので、敢えてこの言葉をテーマに綴っていきます。
「不要不急」という言葉はコロナ前からあった
「不要不急の外出は控えてください」-この言葉、今やすっかりコロナの感染拡大を防ぐために耳にタコができるくらい聞かされている言葉ですな。
しかし、その他の自然災害においてはそれ以前から使われてきた言葉です。主に、大雨や台風のシーズンと、冬の暴風雪のとき。
「コロナ」も「自然災害みたいなもの」だと僕は思っていますが、さて、コロナの「不要不急」と、その他の「不要不急」、あなたはその違いを説明できますか?
・・・案外、できないと思いますし、できないことは別に恥ずかしいことじゃないと思います。だって、ちゃんと説明されてないもん(笑)。
コロナの「不要不急」は「人との接触を減らす」目的
コロナで「不要不急の外出は控えて」というのは「人との接触を減らすこと」を目的に使用しています。みんな人と会わなければ、コロナは感染しないわけです。
「じゃあどこまでが不要不急でないのか?」という疑問は多くの方がお持ちだったと思います。
全国に「緊急事態宣言」が出された際、休業要請が出たラインを考えてみましょう。学校はいい、会社はリモート(できる業種は)、買い物はいいけど生活必需品のみ。床屋もいい。カラオケやパチンコや映画はダメ。
おそらく当初は「一般論」として、「別にそれがなくても生きていけるよね?」というものに線引きがあったと思います(その後は実際に感染が多い場所に焦点が移りましたが)。
ただ、「それがなくても生きていける」には個人差があると思うんですよね。だから、コロナ禍での「不要不急の外出は控えて」は「明確には線が引けないもの」だと僕は考えています。
自然災害の「不要不急」は「外に出るな!」
自然災害での不要不急はものすごくハッキリしています。
「外に出るな!」この一言。
例外的なことはありますが、台風が猛威を振るっている最中にそもそも外出しますか?
皆さん、「怖いから嫌だな」と思うと思います。ただ、食べ物がなければ買いに出なければいけないし、お金がなければATMに行かなきゃいけない。人と会う約束をしちゃっているからだかけないといけない。
自然災害の「不要不急の外出は控えて」は、外に出ないように事前に準備してください、という呼びかけの意味があります。
台風や猛吹雪ならそれが続くと思われる日数分の食べ物は事前に買っておいてください。人と会う約束は他の日にずらしてください。生活上ないと困るものは事前に用意しておいてください。
最近は学校だけでなく、会社も休むところが増えてきましたね。そりゃね、仕事になりませんもん。もちろん、業種によっては休むことができないところもあるのは承知していますが(これは「不要不急」とはいえませんね)。
実際、こういった場合の「外出」は命に係わることにもなりかねませんから、コロナのようになにならいい悪い、ではなく、本当に外に出ちゃだめですよ、の意味になります。
この違いを理解して、これからの季節の「不要不急の外出は控えて」というメッセージを理解し、賢く行動してくださいね。
「不要不急」が「現実」になる怖さ
今、東京では「路上飲み」が流行っていますね。恐らく、居酒屋で飲むのに比べて安上がりになると思います。
そうなると、「別に居酒屋で飲まなくてもいいんじゃね?」と思う人が少なからず出てくると思われます。つまり、「不要不急」と言われたものが「本当にいらないものとされてしまう」現象。
今日テレビで見たのですが、実際「別に仕事はリモートでいいよね」「別に会議はオンラインでいいよね」という時代になり、割と場所を取る「会議室」がなくなったり、オフィスの縮小などで、オフィスビルの空室が目立つようになってきたのです。
そうすると、ビルを所有する会社はあの手この手で空室を埋めるために業態を変化させる、ということも起きています。
これは「自然災害の不要不急」では起きないことで、「コロナの不要不急」だからこそもたらしたもの。
すでに、社会構造や文化の変容は始まっているのです。「不要不急が現実になる怖さ」はあらゆる業種にとっていえることです。
ただ、本当の意味で怖いのはこの変容についていけなくなること。
この記事は防災のカテゴリとして書いているので言うと、この変容は防災の面でも対応していかなければならないものと考えています。もう少し見極めも必要ですが。
まとめ
これからのシーズンで使われる「不要不急の外出は控えて」という言葉は、「外出しなくて済むよう先に備えて」という意味で、コロナ禍のゆるい意味合いとは全く違うので気に留めておいてください。
そして、コロナ禍の「不要不急」は現実として起き始めています。この社会の変容に柔軟にかつ素早く対応していかないと置いていかれてしまいます。そして、防災も例外ではありません。
では、今回も最後までご覧くださいましてありがとうございました。
トドろき防災
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