【ネタバレあり】クレヨンしんちゃんラクガキングダム感想

クレヨンしんちゃん「激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者」を見てきました。
以下、ネタバレありの感想になります。

今回は正直あまりいい出来とは思えない作品でした。
シナリオの整合性やテンポが良くなく、雰囲気映画という印象から脱しませんでした。ただ、ギャグの挟み方は他のクレしん映画よりも上手いと感じたので、極端に退屈するようなことはありませんでした。

5点満点で言うなら2.8点くらいかな。2.5ほど低くはないけど3.0はあげられないって感じ。

ひとまず、この映画の好きポイントから挙げていきます。

ひとつめは「ギャグのテンポが良かった」という点です。
宮廷画家さんの容姿に対するしんちゃんのツッコミとか、ぶりぶりざえもんに対するお助け料支払いの天丼ネタを挟むタイミングとか、ゆうまくんがぶりぶりざえもんを目立たなくする方法とか、しつこすぎず間が開きすぎずうまいタイミングで挟んでくれるので、随所に笑いのポイントがあるのがよかった。
中でも、ゆうまくんとしんちゃんがぶりぶりざえもん担いで電車に乗るところは「お前ニセななこはまともに変装させてんのにぶりぶりざえもんはテキトーじゃねえか!」って思ってめっちゃ面白かった!

ふたつめは「姫がかわいい」という点。
かわいいよね、姫。とてもかわいい。私はクレしん映画ヒロインでスノモノレモンちゃんが一番大好き愛してるらぶらぶちゅっちゅ♡なんですが、ひさびさにレモンちゃんにゆびの先っちょが届くくらいかわいい子が来たなと言う感じでした。
いや、かわいい子はいっぱいいるけど、レモンちゃんがかわいすぎるからね。しかたないね。
今回姫の最高に“ 良き”ポイントがあったのはみんな見たかな?
…………そうだね。『ミラクルクレヨンを使い切ったときに指を「シュッ」て払ったときの動きがとても興奮する』ところだよね。
みんなもとても印象的だったと思う。私も大好きだ。
それ故に姫がほとんど活躍しなかったのはとても悲しかった……。

さて、ここからは主に不満点になります。

まず、シナリオの整合性について。
今回の話は『ラクガキングダムは地球上のらくがきが減って、エネルギー不足により崩壊の危機に瀕している。それを防ぐため、防衛大臣は王の意思に背いてカスカベの子供たちにらくがきを強いる。ただ、それではエネルギーの源になる「自由ならくがき」にはならないからエネルギー不足は変わらず、ラクガキングダムの崩壊は進む。』ということで、それの解決法として描かれたのが『みんなで楽しくラクガキする。』だった。
文字だけ見ると整合性取れてるんだけど、『みんなで楽しくラクガキする。』に至ったのは『しんちゃんに助けられた恩返しとしてラクガキする』っていう理由なんだよね。これってみんなが本意でラクガキしてるわけではなく、義理でやってるってことになる。しかもその義理は各々が進んでやったのではなく、ゆうまくんの説得を受けての行動だった。
無理矢理ではないにしても、やってることは防衛大臣の作戦と大して変わらないのではなかろうか……と感じてしまった。
最後にしんちゃんがぶりぶりざえもんを描き始めたのも、理由が不明瞭だと感じた。
今回の映画、こういう“ 不明瞭さ”を引きずり解決しないまま終わるので不完全燃焼感が強い。

次にミラクルクレヨンの効果がご都合主義すぎた点。
ひろしのくつしたや二日目のブリーフを描いた点から、「描き手の意思がラクガキに反映される」のかと思ったけど、ブリーフがやたら事情通な点は気になった。ニセななこの優しさはしんちゃんの思うななこおねいさんが反映されたんだろうなぁとか、ぶりぶりざえもんは相変わらずだなぁとか、そういうところは良かっただけに、ここのルールはしっかりしといてほしかった。
あと、最後にブリーフの言った「ラクガキの一部にミラクルクレヨンが使われていればミラクルクレヨンの効果が得られる」という点。この効果がわかっているならミラクルクレヨンが減ってきた段階で説明してクレヨン削減もできたはずなのに、最後の最後で突然出てきた重要設定すぎて冷めてしまった。なんか感動の押し付けをしたいだけのために突然思いついた設定すぎる……。

あとは演出面について。
今回作画がイマイチ迫力に欠ける印象だったのが残念だった。なんだろう、これは主観的なものかもしれないけど、なんかそう感じた。
それと、子供たちが無理矢理ラクガキさせられるシーンに使う尺が長すぎて、「そこはもうわかったから!」ってなった。恐怖を印象付けたかったのかもしんないけど、ちょっと過多かなって感じた。
恐怖繋がりでもう一点。
冒頭の防衛大臣の反逆からカスカベ襲撃の流れ、妙に強い恐怖を感じたんですよね。上手く表現できないけど、「反逆」「襲撃」が直接的すぎたのかなぁ?クレしん作品にしてはちょっと強めの恐怖を感じました。

こんだけマイナス点多めに書いといてアレですが、別に映画観終わってめちゃくちゃ不愉快になったりはしてないし、むしろ「面白くないことはないけど面白くはないなぁ……。」みたいなフワフワした状態でした。
今でも別に不愉快とかそういう強いマイナス感情はないです。ただ、他作品と違って誰かにオススメできるクレしん作品かと言われたらNoですね。

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