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クラウドファンディング就活を経て見つけたもの|新卒フリーランスライター杉下康平

「クラウドファンディング就活」。

みなさんはこの言葉を聞いたことがありますか?

クラウドファンディングとは、不特定多数の人から支援を集めプロジェクトというものです。近年ではキングコングの西野さんが個展開催費用を集めたことで話題になりましたね。そんなクラウドファンディングを利用して就職活動をするという、奇想天外なアイディアを思いつき実行した男、杉下康平。

さらに杉下氏は、クラウドファンディング就活を経て内定を得たものの、内定を断り新卒フリーランスとして活動するという道を選んでいます。

果たしてクラウドファンディング就活とはどのようなもので、それを経て今どのような生活を送っているのでしょうか?

“就活の若大将”こと、杉下康平に迫ります。

Interviewer:若目田 大貴(名古屋スタートアップ)
Writer:リュウジ(名古屋スタートアップ)

杉下 康平|プロフィール

1994年生まれ、愛知県出身。新卒フリーランスとして現在はコラムニスト・ライターとして活動中。クラウドファンディングを通じた就活に挑戦し、5社から内定を得るも無職となった。以来角刈りを維持する為、月2で千円カットに通っている。
Twitter:@wakadaishoh

お金をもらって面接に行く?前代未聞の就職活動

若目田:簡単に自己紹介をお願いします。

杉下:本名は杉下康平です。大学を卒業後、新卒フリーランスとして、ライターをしています。主に就活系の記事執筆と、最近はWebマーケティングメディアでも記事を書いています。

若目田:ライター歴はどのくらいですか?

杉下:昨年の9月からはじめたので、8カ月くらいです。

(出典:Campfire「就活の若大将」杉下康平の新卒採用ページはこちらです。

若目田:ライターをやる前にクラウドファンディングをされていたそうですが、どのようなことをされていたのですか?

杉下:就職活動をクラウドファンディングで行っていました。クラウドファンディングは支援者からお金を募って何かを作るものです。しかし私は企業の人がお金を払ってくれたら面接に行くというスタイルでやっていました。

若目田:結構強気ですね(笑)

杉下:なんとかして、面白く就活をしたかったんですよね(笑)

若目田:どのくらい会社は集まりましたか?

杉下:会社は5社集まりました。会社の業種はコンサルティングやWebマーケティングの会社などバラバラでした。共通しているのはITに足を少し突っ込んでいることですかね。

若目田:キャンプファイヤーでクラウドファンディングをしようと思ったきっかけは、何ですか?

杉下:きっかけは、就活が始まる前の2月に、たまたまキャンプファイヤーという会社にインターンに行く機会があったことです。そこに行くまでは、クラウドファンディングという言葉も知りませんでした。

ただ、社長の家入一真さんの本を友達から貸してもらって読んだことがありました。そしてその人に会ってみたいと思い応募したらインターンに合格しました。

若目田:そこではじめてクラウドファンディングを知ったんですね。

杉下:クラウドファンディングの仕組みが面白そうだと思ったので、何かやってみたいと考えました。そして自分の目の前に就活があったので、そこでやってみようと思いました。

若目田:実際やってみて、どういった反響がありましたか?

杉下:めちゃくちゃシェアされたので、反響は結構よかったですね。大学の同級生やアルバイト先の友達はTwitterをしている人は少なかったです。それでもLINEニュースに載ったので、LINEのニュースで見たと友達から反応がありました。

就活系のニュースサイトやNewsPicksなどにも掲載されていたのですが、自分の周りの大学生は知らなかったです。それでも反響があったのは、うれしかったですね。

本質的なことをコミカルに伝える。就活記事に込めた杉下康平の想い

若目田:5社から内定もらって今就活はどうされていますか?

杉下:今就活は終わってますが、結局どこの会社にも行かないという選択をしました。

若目田:そうなんですね。最近は新卒フリーランスという枠組みもありますが、まだまだ珍しい選択肢ですよね。なぜその道を選ぼうと思ったんですか?

杉下:意識的に選ぼうと思ったわけではなく、気が付いたらなっていたという方が、自分の中ではしっくりきますね。

私はもともと自分が納得したことしかできないたちでした。就職活動で会社からオファーが来ても、その会社に行きたい理由が自分になかったので最後まで首を縦にふれなかったですね。

そしてそのままずるずる過ごしていたら、就活系の記事を書いてほしいというライターとして仕事が来たました。クラウドファンディングで就活をしたのを見ていただいて、それが依頼のきっかけになったようです。

それでお金は少なくともそこで得られるようになりました。そこでことさらに就職しなくてもいいかなと思い、結果的にフリーランスになったという感じです。

若目田:自分が変わった就活をしていたと思うのですが、今就活生に対してどういった思いを持って記事を書いていますか?

例えばすごく面白かったのは「西野カナさんみたいなエントリーシートでは君の長所は伝わらない!」というものがありましたよね。ああいった記事はどういう思いを持って書いてるんですか?

(出典:就活市場「西野カナみたいなエントリーシートでは君の長所は伝わらない!」

杉下:就活生に対する思いとしては、結構テクニックの部分にみんなが注目しすぎていると思うんですよね。

若目田:面接の仕方とかですよね。

杉下:それよりも、もっと別に考えるべきことがあるんじゃないかなと思っています。
だからどちらかと言うと自分の記事を書く時には、テクニックの部分じゃなくてもっと本質的なことに迫れるようしています。そして切り口はちょっとおもしろい方がいいかなと思っています。

本質的な切り口から就活や自分の進路を考えることで、もっと本質的な生き方ができるようになったらいいなという思いで書いています。

若目田:ちなみに、一番反響があった記事はどういう内容ですか?

杉下:西野カナさんの記事は反響がありましたね。

若目田:その記事を見ていない読者もいると思うので、記事をなぜ書いたのか、西野カナさんの記事を通して何を伝えたかった教えてください。

杉下:西野カナさんの記事は、思い出しながら話しますね。
そもそも記事の内容としては、西野カナさんの曲の歌詞には好きだという事実しか書かれていないんですよね。

ただ就活の場合に大切なのは、好きだという事実ではなく、「なぜ好きなのか」「なぜの部分の背景や自分の心の動き」の部分の方が重要です。なので履歴書は西野カナさんみたいに、好きだ好きだという事実ばっか書いていたら通りませんよということを伝えたかったです。

若目田:上っ面なことだけではなく、本質的なことをコミカルに表現してるって事なんですね。
就活市場さんって真面目な記事が多い中で、そういう劇薬みたいな記事を、どういう思いを持って若大将さんに依頼をしてるのか気になりますね。

ご自身ではどういったところが評価されてると思いますか?

杉下:落としどころや伝えるメッセージが結構真面目なところがいいねと評価されています。

西野カナさんの話もそうですけど、ただ面白いだけであれば就活市場は真面目なサイトなのでそんなにフィットしないんですよね。ただある程度メッセージ性もしっかりしておけば、切り口はオブラートに包んだという方便で乗り切れると思います。

若目田:伝え方が切り口を変えているだけであって、内容は真面目なものだということですね。

杉下:学生が読むものだから、おもしろい方が読んでもらえると思います。

「面白いものを作る」これからの杉下康平と読者へのメッセージ

若目田:若大将さんは現在コラムニスト・ライターなど活躍されてると思いますが、今後どういった生き方をしていくつもりですか?

杉下:今のところライターを続けていくつもりはありません。就活をクラウドファンディングでやっている時とライターやっている時と一貫していることは、自分が面白いものを作りたいという想いです。

もちろん就活の記事とかはメディア・クライアントとの折り合いもあるんですけど、でも基本的に面白いものを作りたいと思っています。面白いと思っていれば、別にそれを媒介するものは文字でも映像でも何でもいいなと思っています。

新卒でフリーランスになって時間がたくさんできたので、全国を飛び回って映像を撮るとか、いろんなことにチャレンジしていこうかなというのをぼんやり考えています。

若目田:ありがとうございます。micsには、独立してやっていきたいフリーランスや、学生でクリエイティブ系に就職したいと狙っている人が多くいます。そういう人たちに向けて、メッセージがあればお願いします。また今やっておくべきと思うことがあれば、教えてください。

杉下:自分のことを考えたことですね。今こうやって質問された時とかに、自分がその時にどう感じたとかもそういう話を全部しておくと、後々役に立つと思いました。それをアウトプットして残しておくことをおすすめします。

若目田:ちなみに杉下さんはどういう方法でアウトプットをしていますか?

杉下:行動に起こしたりとか文章に起こしたりとかですね。

若目田:自分について考えて、自分について見つめ直して考えることが今につながってるって事でよろしいでしょうか。

働き方が多様化していく中で自分らしい生き方を実践する

クラウドファンディング就活という、常人には思いつかないような就活を経て、新卒フリーランスという道を選んだ杉下康平さん。

普通の人であれば不安に思うかもしれませんが、インタビュー中も常に楽しそうで生き生きしているのが印象的でした。

インターネットの発達で働き方が多様化している現代では、彼のような生き方が今後は増えていくかもしれません。

杉下康平という人間が今後はどのようなことをしてくれるか、注目していきたいですね。

文:リュージ

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