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必要だけど行動に移せない「防災」ーSAIBOTECHを書く3人が考える防災意識とは

ライター・デザイナー・ビデオグラファーの複数のプロダクションから成るフリーランスクリエイター経済圏『mics(ミックス)』。WEBメディア、ブランディング、デザイン、映像など、さまざまなジャンルのクリエイティブ領域を横断して、名古屋スタートアップ株式会社、チームどみにおん、株式会社カチノデが合同で事業を行っています。

株式会社R-proとmicsの構成会社名古屋スタートアップが運用する、防災テクノロジーがテーマのWEBメディア「SAIBOTECH」。最近、SAIBOTECHがJ-WAVEディスカバリーチャンネルで取り上げられ、注目度が高まっています。今回は、SAIBOTECHで記事を執筆する石川新之助、森戸洸賀、中原愛海が、記事を書いていく中で感じた防災意識について話し合いました。

石川 新之助|プロフィール
1992年生まれ、愛知県出身。WEB関連会社でWEBサイトの運用を行う傍ら、副業としてライター活動も行う。名古屋スタートアップのインターン生。おすすめのSAIBOTECH記事は「BioLite Basecamp (バイオライト ベースキャンプ)ーたき火の熱が電力になるストーブ」。アウトドア用品としての高度な機能だけではなく、防災や発展途上国の問題まで幅広く解決するアイデアである点が魅力。

森戸 洸賀|プロフィール
1997年生まれ、愛知県出身。名古屋大学工学部物理工学科材料工学コースに在学中。名古屋スタートアップのインターン生。おすすめのSAIBOTECH記事は「災害協力シミュレーションゲーム『ダイレクトロード』とは!」。災害が起きたときにどう行動するのかを、ゲームを通して幅広い世代に渡って学べるという点が魅力。

中原 愛海|プロフィール
1996年生まれ、熊本県出身。名古屋大学農学部応用生命科学科に在学中。2期インターンを経て、現在は3期インターン生のメンターおよび名古屋スタートアップのライターとしてmicsに所属。おすすめのSAIBOTECH記事は「災害派遣トイレプロジェクト『みんな元気になるトイレ』で助けあいの輪を広げよう」。トイレトレーラーの機能が高度であるだけでなく、プロジェクトを通して街どうしで助け合える点が魅力。

SAIBOTECHを通して変わった意識や行動

中原:二人はSAIBOTECHをどういうWEBメディアだと考えていますか?

石川:日本は災害が多い国なので、需要のあるメディアだと思います。

また、企業が運営するメディアでありながら販売や広告目的が主ではなく、防災の情報の周知徹底に力を入れている点も珍しいと思います。

森戸:僕は、自分が書き手として関わる初めてのメディアであることから、SAIBOTECHには個人的な思い入れが強いです。記事も書いていて楽しいですし。

中原:なるほど。私は、「防災」というテーマに意外性を与えるメディアだと思います。

SAIBOTECHは防災とテクノロジーを掛け合わせたメディアということで、ドローンやVRなどの最新技術を取り入れた防災記事が数多くあります。私は、最初は防災に対して「最先端」のようなイメージをあまり持っていませんでしたが、SAIBOTECHを知ることで防災の見方がガラリと変わりました。

SAIBOTECHで記事を書き始める前、二人の防災に対する意識はどうでしたか?

石川:僕の場合、防災意識は高くありませんでしたね。

東日本大震災が起こった当時、とても衝撃的だったのを覚えています。ですが、震災から2~3年後に旅行で宮城県に行ったとき、そこで大きな地震が起きたという実感はあまり湧きませんでした。

災害を自分の身にも起こりうるものとして完全に捉えきれてなかったので、対策しなければとは思いつつも行動に移せていなかったんです。

森戸:僕も、防災に対する意識はまるでありませんでした。

東海地区って、災害が起こると繰り返しいわれていながら、まだほとんど来ていないですよね。そのため「災害はいつか起こる」ということに対して、自分の中でどこか現実味を持てずにいました。僕も石川さんと同じように、頭の中ではわかっていても、実際に防災を行動に移すのは難しかったです。

中原:私も二人と同じで、防災に対してそれほど高い意識を持っていませんでした。

私は熊本県出身なので、2016年4月に熊本地震を経験しました。直後は、地震に対する恐怖が自分の中でしっかりとあって、水や非常食を家に備蓄するなど災害対策を行っていました。そのときは、災害をきちんと自分事として捉えられていたんです。

でも、SAIBOTECHを書き始めたときはそれから2年ほど経っていて、災害が他人事になりかけていました。SAIBOTECHを通して「防災」に接する機会があったことで、そういう感覚に気づかされたと思います。

中原:SAIBOTECHを書き始める前の防災意識をお聞きしましたが、いくつか記事を書いた今、二人の中で変わった意識や行動はありますか?

石川:単純に、防災が面白い分野だと思うようになりましたね。中原さんが言うように、ドローンなどの最新技術が防災に導入されているのをあまり知らなかったので。

また、さまざまな物を防災の視点で見るようになりました。例えば、アウトドア用品店で商品を見ていると、「これは防災グッズとしても使えそう」などと考えることが多くなりました。

森戸:僕もお店でいろいろな商品が並んでいて「これは防災グッズっぽいな」と思うものがあると、意識して見るようになりました。だから、書く前と比べると防災意識は上がったと思います。

中原さんは、防災に対するイメージはSAIBOTECHを書いてどう変わりましたか?

中原:私は、自分が今まで気づいていなかっただけで、防災関連のものって世に溢れているのだなと思いました。

また、熊本地震から時間が経って薄れていた、災害への危機感がまた強まりました。そうして、他人事になりかけていた「防災」を、再び自分事として感じられるようになったと思います。

SAIBOTECHを読んで、防災意識の向上につなげてほしい

中原:二人はどういう人にSAIBOTECHを見てほしいと思いますか?

森戸:テクノロジーの分野においても面白い内容だと思うので、そういうものに興味がある人に見てもらえたらなと思います。

もちろん防災意識が低い人にも見てもらいたいですが、そういう人にはなかなか見てもらいにくいかもしれません。だから、僕ら書き手も読みやすい文章を意識する必要があると感じます。

中原:読みやすい記事を書く上で、具体的には何を心がけていますか?

森戸:SAIBOTECHで取り上げるものは新しい技術を応用したものが多く、元ネタの文章には難しい単語がたくさん出てきます。そういうときは、分かりやすい表現に書き換えたり、さりげなく説明を付け加えたりするようにしています。

中原:読者の立場で記事の読みやすさを考えているんですね。石川さんはどういう人に自分の記事を読んでほしいですか?

石川:防災に対して「つまらない」というイメージを抱いてる人です。防災っていうと、僕は小学校の避難訓練でやらされて退屈に感じた印象があります。同じように防災にネガティブなイメージを持つ人にも、気軽に読んでもらいたいです。

中原:石川さんは、記事を書くときに気をつけていることはありますか?

石川:まだ世間であまり広まっていないものや少し変わったものを、記事の題材として意識的に選んでいます。

僕は、携帯浄水器の記事と、自動で野菜や植物が育つプランターの記事を書いたことがあります。前者は、従来の携帯浄水器が高性能になったという記事ですが、後者はそれまでにない全く新しいアイデアから生まれた商品です。自分が書く記事は、後者のように斬新さの面で読者の目を引く内容にするように心がけています。

中原:読まれやすい記事になるように細やかな気配りができる、石川さんならではの視点ですね。ありがとうございます。

私は、「防災」をなかなか自分事として捉えられない人に読んでほしいです。私は熊本地震を経験していますが、時間が経つにつれて防災意識が低くなっていることに気がつきました。だから、大きな地震を経験していない人が防災意識を高く保つのは、非常に難しいと思います。

SAIBOTECHは「防災」にテクノロジーという面からスポットを当てたメディアです。一般的に想像される「防災」とは違った、面白みのある記事が集まっていると思います。なので、SAIBOTECHを切り口として「防災」に関心を持つ人が増えてほしいです。

中原:最後に、どういう想いで二人はSAIBOTECHを書いていますか。

森戸:読者の方に面白くてわかりやすいと思ってもらえるような記事を書きたいと思います。

また、災害大国の日本にとって永遠のテーマである「防災」は、テクノロジーによっておそらく進化し続けます。そのため、これからも面白い記事がSAIBOTECHに出てくると思うので、いろいろな人に読んでもらいたいです。

石川:災害が起こってからでは遅いので、SAIBOTECHは災害が起こる前に読んでほしいです。

また、災害は実際に起こっても風化してしまうため、ふとしたときに読んでもらうことで、少しでも防災意識の向上につながればいいなと思います。

中原:多くの人は、「防災」にそれほど新しいイメージは持っていないと思います。でも防災関連のグッズやプロジェクトは現在とても進化していて、SAIBOTECHは特にそれが感じられるメディアです。

また、SAIBOTECHで取り上げるのは「防災」の最先端をいくものばかりなので、読み物としてシンプルに面白いです。SAIBOTECHを通して「防災」により気を配ろうと思う人がいてくれたら、とても嬉しく思います。


写真=渡邉 美祐

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