【映画批評】Fukushima 50 - 評価5.0点中/評価不可

この題材を扱う事、書くことを一旦躊躇したのですが、、、思ったことは記録として書いておこうと思った次第です。不愉快になったらスミマセン。

アマプラで「Fukushima 50」を見ました。色んな役者さんも出てるので当時から見たいとは思っていました。佐藤浩市でてるし、火野正平ちょっと見たいじゃないですか。それと日本人としては、やはりこの件について真実を知っておきたいとも思ったからです。

映画でも描かれている吉田所長をはじめ、現場で対応に当たられた方たちには、本当に頭が下がる思いでいっぱいです。この前提を述べさせていただいた上で、タイトルの通り、なぜ評価不可なのかというと、、、、

映画というのは、何らかのメッセージ性があるもの、もしくは記録映画と呼ばれるような史実に基づいたものなど、色々あると思うのですが、さてこの映画はどのタイプに該当するのでしょうか。

吉田所長や現場の人たちの切迫した状況や心情などは知りたいところでもあるし、涙もろいので途中泣いてしまったのですが、映画を見進めていくと、あまり過剰にヒーロー視するのも違うように思えてきました。また当時の首相を、あからさまに悪者のように扱い描いている点も気になりました。もちろん色々な情報に触れ、当時の首相の行動の賛否があることも分かっています。
そういう意味では、真実を知りたいと思っていた私の欲求は満たされず、史実に基づいてと言いながら、「エンタメ作品」の要素が強いように感じてしまいました。
嘘は言ってないかもしれないのですが、真実も全部語られてないように思えてしまったし、偏ったストーリーになっていないか、俯瞰的に総合的に語られていないのではないかという疑念を抱いてしまった。

最後、エンドロールで、制作協力に「復興庁」が出てくることや、制作委員会が新聞各社だったりと、当時の政権を批判したかったり、誰かを悪者にして、誰かを賞賛して、分かりやすい構図に仕立てることで、もっと複雑な事情を見ないように仕立てていないかと感じてしまった。この時代においてもまだこの国でこのような政治的な意図が見え隠れする映画が製作されていることに、ちょっとビックリしてしまった。。幸い、映画は大ヒットせず、地上波でも放送されたが視聴率もそこそこのようだったので、そんなに見られていないという皮肉な状況。
そんなわけで、何かしらの政治的な意図が透けて見えるこの映画を採点することは出来ないなと思ったので、良いとも悪いとも「評価しません」。見たい人は見てもいいけど、この映画1本見ただけで、当時のこの大事故を総括してはいけない気がします。

もしまだ語られていない真実があるのなら、それらがすべて語られる日が来ることを期待する。。。



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