2023/5/6日記「やきにくおいしい」

ゴールデンウィークも終わりになる頃。祖父と家族で焼肉屋に行った。近所に焼肉屋があるのでしばしば「夕飯に行こうか」という話になる。今日もなった。チェーン店とは違う、狭くてアットホームな雰囲気が好きだ。店員に学生が多いのもまたいい。

サガリっていいよなぁ、と思う。昔は好きじゃなかった気がする。というより昔はタンとかロースの方が好きだっただけか。

サガリには不思議と引かれる魅力がある。まず色合い。蠱惑的な赤色をしている。タンともロースとも違う濃い赤。黒が混ざった赤。

焼けているかよく分からないのも気にする一因になっている。生かどうか、ちょっとドキドキする。鬱陶しくもある。

味も好きだ。さほど脂っこくない。独特のエグ味がある。初めて食べた時は顔を顰め、母に笑われた記憶がある。今は平気な顔をして食べている。

この焼肉屋に来ると昔を思い出す。私が小学生より小さい時からある店で、幼少期からよく来ていた。思い返す度に小学生の私はクソガキだったと思う。生意気でワガママで自己中なクソガキ。今もそうだが、まだマシになったと思いたい。

従姉妹達と来る事もある。叔母が心配性で、焦げが付くまで焼く。小さい頃の私は苦い焦げが嫌いで、小学生くらいから自らトングを持ってタンとロースを自分の分だけ焼いていた。自分の分だけというのがクソガキに拍車をかけている。だが扱い易いクソガキで、煽てられて他の人の分まで焼いていた。今は煽てられなくても焼くし、タンとロース以外も焼く。例えばサガリ。あとはサガリとか……えっと、サガリとか……。

終わりにお茶漬けを食べるようになったのはいつだったか忘れた。胃袋が大きくなって、脂の重さが嫌になりだしたのはいつだったか。

さっきまでお腹いっぱいと思っていたのに、お茶漬けはするすると入る。不思議だ。デザートは別腹ならぬ、〆は別腹なんて言葉が浮かんだ。そういうのを表す言葉、無いかなぁ。

そんなくだらない事を浮かべながら「美味しかったね」と店を出た。

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