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一宮周平「おやま(4日目)」

ということで須走滞在もあっという間の4日目。東京にいる時よりもだいぶゆったりと時間が流れているように感じますが、あっという間です。何言ってるのか分かりませんね。

滞在中に山中湖まで走ろうと思ってはいたのですが、どうにも天気が良くなさそうということで、近所を散歩することに。

近所にはなんと遊園地が
上本町遊園地。楽園です。

目的を持たずに歩くというのはいいですね。どうしても都内にいると何かするために行動をしてしまいます。当たり前っちゃ当たり前なのですが。我々人間は一体どこに向かっているのだろうと思う時もしばしば。

道の駅すばしりは、まさに富士山の麓にあるところ。中にはレストランと、なんと足湯まであります。が、私の行った時間はまだオープン前でした。

なかなか見ることのないものですね

道の駅を通過し、さらに歩くと公園のようなウォーキングコースが。
富士山を目の前にのんびりと歩きました。未だ頂を拝ませてくれない富士山。せっかく近くにいるのに雲の上の存在です。

人が誰もおらず、とても静か

心地よく汗もかいたので、須走で有名な辛いラーメン屋の「まぁちゃん」へ。須走に泊まってるんですというと、みんな口を揃えて「まぁちゃん」と言います。お店の数も多くないですが、有名店です。

名物まぁちゃんラーメン。牛の角煮も入っています。旨辛。

噂に違わず美味しいラーメンでした。真っ赤ですが、激辛というわけじゃなく、旨辛です。いい汗が出ました。

昼食の後は、溜まっている仕事をせねばと、巡回バスへ。前日も乗りましたが、足のない身としては本当に便利。実は、「まぁちゃん」に寄る前に近くの神社に向かって歩いていたら、巡回バスに抜かされました。あ、巡回バスだと思って見ていると、バスもスピードを緩めた気がしました。ガラス越しに見える運転手さんのフォルムが、前日と同じ人のように見えました。まさかと思いましたが、後で乗ってみると運転手さんも「さっき神社いらっしゃいましたよね」と、私を見つけスピードを緩めてくれたようです。

たった一度会っただけなのに、なんだか心が温まりました。人と繋がるというのは嬉しいものです。私の後ろ姿を見ただけなのに、よく気づいたなと思いましたが、どうやら私のフォルムはわりと分かりやすいようです。

途中バスに乗ってきたおばあちゃんがいて、その方とも話をしながら、生涯学習センターを目指しました。おばあちゃんは両国出身の方で、小山町に来たのはまだ昭和の頃だったそうです。小山町について尋ねていると、「住めば都よ」言っていました。そんな風に自身の住むまちを表現できるのは羨ましいです。

さらに、富士山は宝物だと。なんですかその素敵な表現は。宝物ね。あまり実生活で使うことのない言葉です。自分にとっての宝物はなんだろうと、考えることすらしません。おばあちゃんは、昔、御殿場(隣のまちです)にも住んでいたそうで、御殿場から見る富士山は綺麗な女の人のようよ、と言っていました。これまた良い表現だなあと感心するばかり。小山から見る富士山はもう少しゴツゴツしているようです。富士山は富士山でしかないと思っていましたが、近くに住む人からすると、どこから見るかで表情を変えるようです。ずるいな富士山。日本一高いだけでなく、いろんな面を持っていやがるなんて。

ということで、なんてことのない道のりが、運転手さんとおばあちゃんのおかげで、贅沢な時間となりました。ありがとう二人とも。
おかげで、生涯学習センターの図書館での仕事も捗りました。人も少なくとても集中できます。小山町や、富士山にまつわる資料もたくさんあり、小山町の伝説なんかも少し仕入れました。いつの日か披露する時がくるのか。

夕方には、同時期に滞在中の内間さんとともに、富士山GOGO エフエムに出演。滞在のことや、日曜日に行う予定のワークショップについて話しました。短い時間でしたがとても楽しいひと時に。ラジオの予定まで入れていただき感謝しかありません。

内間さんとともに。手前はパーソナリティの渡邊さんと映画監督の泉原さん

せっかく御殿場まで来たので、内間さんと渡邉辰雄さんおすすめの中華屋さんきんたに行ってきました。昔からありそうな、そして多くの人に愛されている中華屋のようで、我々が食べているうちに満席に。美味しい手作り餃子とサンマーメンをいただきました。

内間さんは沖縄出身でサンマーメンを初めて食べたそうです

ということで、なんだかんだで盛りだくさんな1日となりました。滞在も終わりが近づいてきてもう寂しさすら覚えますが、1日1日を大切に過ごしたいと思います。

一宮周平

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