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莇貴彦「三保松原」滞在まとめ

住んでいる神奈川県と職場の東京都との往復生活に戻り、あっというまに10日以上過ぎました。

私は普段、文化芸術振興の仕事をしており、仕事ばかりの毎日。
そんななか、ふと1週間の休みを取得できる!という機会と、この「マイクロ・アート・ワーケーション」が見事に合致しました。

終わってみるとあっという間でした。清水区の「三保松原(みほのまつばら)」での滞在の記憶は色濃くて。今でもみた様々な景色、食べたもの、歩いた道がときどき思い出されます。

いわゆるアーティスト・イン・レジデンスでも視察でもない「マイクロ・アート・ワーケーション」の取り組みがとてもユニークでした。

世界中にアーティスト・イン・レジデンス・プログラムは点在しています。
美術・音楽・パフォーミングアーツのアーティストにとっては当たり前の言葉で、「AIR」と略称で通じたりします。

そんななか、アーツカウンシルしずおかの「マイクロ・アート・ワーケーション(MAW)」は2021年よりスタートした比較的新しい取り組みです。他のアーツカウンシルとは異なる方法で「多ジャンルかつキャリアの多様な広義のクリエイターをターゲットに入れ、静岡県内各所のホスト(受け入れ先団体=県内クリエイティブ人材+特徴のある場所)とマッチングさせることで化学反応を起こす」ことが事業コンセプトだなと身をもって感じました。

このプログラムのユニークな点はAIRのような成果発表を伴わなくても良いという点です。今ここで書いているnoteに、ウェブログを残せば良いんです。(これは参加ハードルがぐんと下がる...!)


静岡県は広くて、平野があり、山があり、海があり、交通の便がよく、有名観光地も豊富なゆえに逆に「静岡といえばこれ!」と断言しにくさもある。そんな静岡県のユニークさ・面白さを発揮できる取り組みだといえます。

MAWへの応募前は、漠然と伊豆半島をはじめとした「地質学的に面白い景色が見える場所」を中心にホストを探していましたが、静岡県を調べてゆくうちに、もっと西側の落ち着いた印象をもつ、清水から西の地域に興味が湧きました。その中で、ご縁があり万葉集にも書かれるほどの歴史ある景勝地「三保松原」を拠点に活動するOtonoさんにホストとして受け入れていただけました。

ホストが決まると、「旅人」としての意識も具体的になりました。Google MapsやStreet Viewを使って、行く前から画面の中と脳の中で、清水と三保を散歩したことは、とても面白いリサーチでした。

有名な「深海をはさんで富士山を望む」三保の景観は、(深海はみえないけれど)日本一の高低差を描写していることになります。-2500Mから+3776mまでの標高差は6000mを超えます。そのグラデーションの中で、様々な生命・生態系があるんだなと思いを馳せることができました。


最終的に、「三保松原」の旅のログとして、極めて私的な映像作品を残しました。シンプルな無音のストップモーションムービーは、自分自身のために作られた、三保での滞在記憶をひっぱりだすためのトリガーです。

松の樹皮を淡々と映した映像を見返すと、ホストの皆さんはじめ、感謝の気持ちがあらためて湧き出てきます。


関係者の皆様、あらためてありがとうございました。


また、MAWにチャレンジしたいなと感じました。


MAW2024、日々の記録はnoteはこちら
1日目 https://note.com/microart2024/n/nc7c0297b8183
2日目 https://note.com/microart2024/n/nd65148b9fdd2
3日目 https://note.com/microart2024/n/n95f56d171e12
4日目 https://note.com/microart2024/n/na62017d8506d
5日目 https://note.com/microart2024/n/nb14c5e212a3d
6日目 https://note.com/microart2024/n/nfa0358ea4c27
7日目 https://note.com/microart2024/n/n61807c53f6af

(ほぼ、「松」ばかりみていたことがよくわかりますね。。。)

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