増山士郎「マイクロ・アート・ワーケーションのまとめ」
This post is written only in Japanese
今日、静岡の清島町でのマイクロ・アート・ワーケーションを終え、東京の向島に戻ってきた。もとはと言えば今回日本に帰国した理由である、東京の「すみだ向島Expo2024」の設営作業が明日から毎日あり、とても忙しくなるので、マイクロ・アート・ワーケーションのまとめも今日のうちに終わらせようと思う。
自分は、いわゆるアーティスト・イン・レジデンスをめっぽう知るアーティストとして、多くのアート関係者には知られている。レジデンスに関しての講演やレクチャーも日本のあちこちや、北アイルランドでも度々やってきた。その経験を活かし、北アイルランドのベルファストにある唯一の視覚芸術のレジデンスFlax Art Studiosのボードディレクターを7年間歴任し、日本とのレジデンス・エクスチェンジも立ち上げ、国際交流も頻繁に行い、組織を大きくすることに貢献した。
いわゆるレジデンス・マニアでもある自分が、今回のマイクロ・アート・ワーケーションのプログラムに関して、何か穿ったまとめを書こうと思うと、プログラムの具体的な改善点の要望など、えらそうなことを書きがちで、読者もつまらなくなくなると思う。そういった意見は既に、正直に思ったことを記載し、滞在後にアーツカウンシルしずおかに、提出しなければならないアンケートでまとめて送っているので、違うことを書こうと思う。今回のまとめは日本人対象に書くので、英訳は入れません。
自分の投稿をSNSでのシェアを通して見る多くのアーティストなどの日本のアート関係者は、アーツカウンシルしずおかが行っているマイクロ・アート・ワーケーションという試みについて初めて知り、興味を持ち実際来年応募してみようと思う人もいるのであろう。
その人たちに言えることは、自分がアーツカウンシルしずおかの若菜さんに対して、「静岡県がこの試みを通じて参加者に求めていることは何ですか?」という質問に答えてもらったように、いわゆる、マイクロ・アート・ワーケーションは他の日本多くの組織がやっている・アーティスト・イン・レジデンス事業とは違って、もっと緩いものであるということである。
事実6泊7日という短い滞在中に、滞在先で静岡県が求めている「旅人」以上の存在になることできないだろうし、その限られた期間にアーティストしてちゃんとした成果物を残すのは難しいだろうと思う。それを割り切り、作品制作以前のリサーチ目的や息抜きに、いわゆる旅人として、静岡で観光したい人は参加すればいいのだろうと思う。通常のレジデンスと違い、静岡県の各地にホストがあるので、静岡県の中で、自分が興味がある地を滞在場所として選べばいいと思う。
静岡県から出る謝礼をレジデンスのギャラとして捉えれば、そこから滞在費や交通費も出さねばならず、明らかな薄給になることは否めないが、旅人にお金を払って、わざわざ観光に来てもらうのは、世界ひろしと言えども、他に聞いたことはないのもまた事実である。
募集はアーティストに限らず様々な種類の文化人が、今年は40人弱選ばれている。来年も募集があるはずなので、旅人として、一週間の静岡観光をしてみたい人は気軽に応募してみてはどうでしょう?
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