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宇田奈緒「滞在まとめ(静岡市清水区_次郎長生家を活かすまちづくりの会)」

清水で過ごした1週間で得たものはいろいろあって、アートを使ってこれから考えていくべきこと、先に繋いで行きたいことがたくさんあるが、まずは今回のマイクロ・アート・ワーケーションのまとめとして、これから清水を訪れる人に向けた、理想の1日のスケジュールをここに想像してみようと思う。国内からの旅人にも、海外からのお客さんにとっても、清水の良さを知っていただけるものになったならうれしい。

清水を訪れるとしたら、秋の初めをおすすめする。海を見るのにも、街を歩くのにも、天気が良くて風が涼しい日がいいだろう。

JR清水駅から見た富士山

朝は早めに動き始めるといい。
JR清水駅から海側の出口に向かうと、歩道橋から富士山を眺めることができる。そのまま海辺を5分ほど散歩すると、漁港に辿り着く。朝早いが、まぐろ定食を味わうのもいいかもしれない。英語対応の定食屋さんで町について質問してみることもできる。

朝早くから営業している定食屋さん

朝ごはんの後は、すぐそばのバス停から水上バスに15分ほど乗って三保の松原に向かう。御穂神社にお参りをしたり、松原を歩いたりして、この土地が歩んできた時間の長さを味わう。

水上バスからの富士山と三保

その後、バスに乗り換えて清水港に向かう。降りたところにはエスパルスドリームプラザがあるので、その中で好きなものを食べることも可能だ。海鮮丼専門店やインド料理のお店があったり、お茶飲み放題のかき氷屋さんもある。

ピーチとウーロン茶シロップをかけた天然氷のかき氷

ドリームプラザにはショッピングモールらしいチェーン店も入っているが、手作り作家の作品を販売するお店や、清水土産を扱うお店もある。時間をかけて歩いてみるのも面白い。

清水港の歴史を知るには、すぐ近くのフェルケール博物館がいい。ジオラマや模型を使って数百年にわたる港の歴史がわかりやすく説明されている。

歴史を知った後は、ドリームプラザの中にある観覧車に乗って、清水港の全景を見ることをおすすめする。ちょうど客船が立ち寄っている日に当たった場合は、夕方の船のお見送りに参加するのもいい経験となるだろう。

観覧車から見た清水港

その後は海を離れて川の方に歩いていく。橋に向かって歩くと、江戸時代「船宿末廣」があるので、そこで等身大の清水次郎長さんに出会ったり、清水の人々の歴史を知ることができる。和菓子とお茶で休憩することも可能だ。

清水次郎長の船宿 末廣

その後、次郎長通りに向かい、次郎長生家をのぞいてみる。200年前にここに住んでいた次郎長さんが、地域の人たちをまとめ、清水港を作るきっかけを作ったり、町の発展に大きな影響を与えたのだと知る。

次郎長生家にて、次郎長さんがここにいたことを感じる

生家を出たら、次郎長通りを左に曲がり、おにぎり屋さん、着物屋さん、魚屋さんなどを見ながら商店街を歩く。道の右側に鳥居が見えたら、そこにCafe OCEがある。

しばらく休憩した後は、清水のお茶を買いに行くのもいい。清水の人の情熱
に溢れたおもてなしを感じられる。

次郎長のこと、お茶のことを説明してくださるだけでなく、英語対応も可能。

夜は、清水で夕飯を食べて帰るといい。静岡の地酒も刺身も、もつカレーもどれもまとめて味わえる。ご飯の後は、清水に泊まることもできるし、先を急ぐ場合はJRに10分乗れば静岡駅に戻ることも可能だ。

まずはこんな1日をきっかけに、何回も清水を訪れる人が増えたならいいなと思う。町に眠る長い歴史に触れ、ゆったりとした時間の中で海を楽しんだり、おいしいものを食べることができる場所がこんなに近くにあったと知れたことは、旅人としてとてもうれしい。アーティストとしては、このマイクロ・アート・ワーケーションというきっかけをいただき、静岡からハワイや北米に移民した人たちの歴史について改めて考えられたことが一番よかったと思う。伊豆からカナダに移民した曽祖父、日系カナダ人として生まれた祖父の足跡を辿る旅の出発地点となる静岡で、アートを使ってこれから何ができるかについては、しばらく時間をかけて考えていきたいと思っている。







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