一宮周平「おやま(6日目)」
いよいよ滞在も最後の日となりました。7日目はほぼ帰るのみということで。最終日ということで、町の方に参加していただいてワークショップ、そして豊門カフェにて町の方々との交流会を開催していただきました。
午前中、日曜日は巡回バスも走っておらず、どこにも行けず困っているところ、泊まっている民宿マルヤマの女将さんが、生涯学習センター(図書館のあるところ)まで送ってくれました。みんな優しいです。田舎あるあるですが、やはり車がないとどこにも行けないことは多いです。平日は、バスがあってなんとかなるんですが、土日は何か新たな案があると良いなと感じました。
図書館で少し仕事とワークショップの準備をしていたら、見かけた顔が。最初の交流会でお会いした、豊門カフェを運営している徳島さんでした。この後も交流会でお世話になる方です。たくさんの出会いをいただいたおかげで、図書館で知り合いに会うという貴重な経験も。ただの旅行では感じることはないでしょう。徳島さんは、小山町や静岡の歴史コーナーをチェックされていました。あとで、聞くと、まだまだ知らないことだらけなので、勉強しているとのこと。素晴らしいですね。
お昼は、「滋味とがわ」にてえび天丼をいただきました。見てください見るからに美味しそうですよね。はい。めちゃくちゃ美味しかったです。ランチはもう一つ松花堂弁当があり、それも彩り豊かで美味しそうなお弁当でした。あの天丼を出す人の料理は間違いなく何食べても美味しいです。おすすめです。
そして午後からは健康福祉会館の多目的ホールにて、ワークショップ。
ワークショップでは、私が普段からやっている、コミュニケーションと作品創作のワークショップをやりました。直前でキャンセルもあり、少人数での開催となりましたが、それぞれ町の方々の豊かな表現と、コミュニケーションの新たな気づきにたくさん溢れ、私にとっても充実した時間となりました。参加してくださったみなさんにとっても、そうであると嬉しいです。
その後は豊門カフェにて交流会。
当時のままに残る部分がほとんどらしく、豊門会館、西洋館ともにとても素敵な建物です。
交流会では、最初の交流会にいた方とはまた違った方々にお集まりいただき(前回いた方で来てくれる方も)、和やかに行われました。同時期に滞在した内間さんが、滞在中に撮った写真をスライドショーにして披露してくれました。元々写真を撮るのが好きなようで、切り取り方がとても綺麗で、素敵な写真たちでした。写真は、小山町の様々な建物が中心でした。同じ滞在でも見る視点が違うのは面白いです。何より内間さんのゆったりとした柔らかい話し方によって、写真に対して町の人たちの言葉がどんどんと生まれてきました。町の建物の写真を見て、あれはどこだ、私知らない、など、さまざまな言葉が溢れてきて、また、それをお話されるみなさんの表情が印象的でした。良い時間です。
会の後半になりましたが、集まったみなさんの自己紹介もしていただきました。思っていたよりも外から来て、小山町に長く住んでいる人が多かったです。それでもみなさん小山町を愛しているんだなと、なんだか羨ましい気持ちになりました。1898年に富士紡績株式会社の工場ができて、それによって町が大きく変わったようです。女工として外から多くの若い女性が集まったんだそう。そこで出会ったり、結婚したりと、この町の今に大きく影響しているみたいでした。
それぞれのルーツを聞いていると、知らないはずなのに一気にその時代にタイムスリップしたかのような気持ちに。人の言葉の持つ力というのは大きいですね。それぞれのお話を参考に一本話が書けそうです。以前、富岡製糸場を舞台にした話を書いたことがあるのですが、小山町の富士紡績を舞台に作品をつくる、なんてのも面白そうです。
また、それぞれの話を聞いていると、町の方同士でも知らないこともたくさんあるようです。お互いに町について情報交換の場にもなり、とても良い時間となりました。
予定していた時間を大幅に過ぎるほど盛り上がり、会は終了。本当にみなさんどうもありがとうございました。
あとは帰るのみ。あっという間の滞在でした。なんだか寂しさも感じますが、それもまた、滞在時間の充実の一つなのかもしれません。
一宮周平
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