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中島響 「感謝」 龍山町滞在最終日

最終日、ひとり家を片付ける、頂いたおばけしいたけを食す、物思いに耽る


この日は滞在最終日。特に予定はなく、ゆっくり家を片付けながら今回の滞在について振り返る。一週間という短い時間の中だったけど、色んな感情が動いたし、考えた。
60代が若手と言われるまちで生きるということ、決して悲観的ではない、かつての繁栄を誇らしげに語る表情、地域のことについて語れるということ、学校がなくなるということの意味、すーっと迎え入れて下さる温かな空気感、変な偏見もない、土着するひと、このまちの未来。
自分はドキュメンタリーをつくるひととして、このまちの未来のために何ができるか、という視点でこの一週間を過ごしてきた。
でももしかしたらそういうことではないのかもしれない。
というより今現在ここにいるひとのために何ができるかを考えるべきなのかもしれない。これを書いていて、なんて烏滸がましいことを書いているんだと思い一瞬消しかけたけど、自分の感情は赤裸々に、初日のnoteに自分が書いた言葉を思い出してあえて残すことにした。
ここにいるひとのために、なればそれはもちろん良い。じゃあなんで躊躇する気持ちが生まれているんだろう。とりあえず言葉にしてみる。
日に日に地域の歴史や今ここに住む人のことが分かってきて、愛着と言えるような温かい気持ちが大きくなってきているのは間違いなく感じている。だからこそそのひと達の大事な過去、現在、未来についてを大切に扱わなければいけないという怖さを感じているのかもしれない。事実、今回の滞在ではほとんどひとに対してはカメラを向けることができなかった。自分の弱さが出た気がする。
でも、やっぱり自分はこのまちのことが好きであるし、このまちにこのタイミングで映像として残せるひととして関わることができたからには映像に残したいと思う。ちょうど今週末の土日に瀬尻地域で祭りがあるからこのタイミングでカメラを向けさせてもらおう。

一旦マイクロアートワーケーションでの自分の滞在はこれで終わりになる。
最後に自分の未熟さと向き合うこともでき、同時に少しだけ成長することもできた気がした滞在になった。まとめの記事についてはまた上げさせて頂くことにはなるけど、改めてここで今回関わって下さった方々に感謝の言葉を残させてください。
まずこんなに素敵な機会を企画して下さったアーツカウンシルしずおかの皆さん、こちらの希望に出来る限り答えようと色んな場所やひとのもとへ繋いで下さったホストの皆さん、ほぼ毎日晩酌を共にしフラットな関係で話をして下さった同じ旅人の二人、そして今回の滞在中いきなりにも関わらず温かく迎い入れて下さった全ての龍山の方々、本当にありがとうございました。

とはいえ、ふらっとまた遊びに行くと思いますので皆さんまた宜しくお願いします。

中島響

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