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柴田早理「日本に残された神秘-子守神社での静謐な舞」(3日目)

この日は、一緒に旅をしている有泉汐織さんが子守(ねのかみ)神社で踊るということで、私も同行させてもらいました。

有泉汐織さんの舞。

子守神社はその名前の通り子供の悪疫退除を信仰する神社。

毎年10月15日に御神楽舞があるということで、地域の人たちは定期的に集まり舞の練習をしているそうです。

有泉さんはその練習を見学し、今回の舞いの参考にされたそう。

その土地の持つ声を聞く。

神様の前で舞う祭事。

それは田舎に生まれた私からすると、当たり前に行われていることでした。
しかし都市に出てからはあまりそういうことを意識することもなくなり、ほとんど忘れてしまっていたことを思い出しました。

山のお祭りの色や香り。
積み重なってきた人々の、切実な祈り。
それは、古くから日本人の心を支えてきたのです。

多くの願いの籠もった神聖な場所での舞。

次の、また次の世代のために、過去から未来へ人々が信仰してきた場所。

有泉さんはその思いを拾い集めるように、その土地の持つ声を聞くように、こころに取り入れて丁寧に舞います。

その土地が持つパワーを感じているような姿。

大都市では、信仰やコミュニティとは断絶した気楽な暮らしが続いていきます。それはなんでもあって便利だけど、何かがないような気がする。

「信仰」「文化」「民話」
それは大都市ではない「日本」に残された神秘。
それは確実に都市化された現代を生きる多くの人々の救いになる日が来るでしょう。
私は現在20代も終わりですが、田舎から都市に出てきて、社会の荒波に揉まれながら、年々その思いが強まってくるのです。

しかし人口減少が続く日本で、この伝統を残していくにはどのような方法が良いでしょうか。
これは日本の地方に共通の課題で、非常に難しい問題です。
この子守神社も管理のための費用を賄うことが難しい状態だそう。

しかしこの子守神社、大鍋区区長の平川さんが中心となり先進的なことを取り入れていくそう。
今後、神社の管理費用を賄うためのクラウドファンディングを準備中。

この神社の狛犬、可愛い御顔です。

古くから、子どもたちの健やかな成長を願い信仰されてきた子守神社。

今回、有泉さんがこの神社で舞いをされるということで、自然と地域の方々が集まってきました。そのことからも、古くから多くの人が集まり親しまれてきた大切な神社であることがわかります。

区長さん達の挑戦がどうか実を結びますよう、心から祈っています!

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