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中島響 「祈り」 龍山町滞在2日目

合流、山道、白山神社、瀬尻のぶか凧、天竜川を一望する絶景、廃校になった龍山北小学校、地域の方達との交流会、地域の未来の話
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本来2日目だった日に自分が一旦仕事で戻らなければいけなくなったので、この日は朝に瀬尻地域のドラゴンママ横の駐車場で合流。
かなりワイルドな山道を駆け抜けた先にある白山神社へ、龍山の勾配はかなり強烈で、10分も車を走らせれば天竜川を真下に見下ろせる高さまで行ける。綺麗なエメラルドグリーンのうねり曲がる川の姿はまさに竜のように綺麗で格好良い。
白山神社では住職さんが神社の成り立ちやこの地域の祭りのことや教えてくれた。来週の日曜日に瀬尻地域で4年ぶりのお祭りがあるということでその準備で、次の土曜日に自分たちはまたこの神社に来て掃除や準備の手伝いをすることになっている。
次に向かうはぶか凧保存会会長さん(通称ねーぼさん)のお家。
ここが龍山一の絶景と言っても過言ではない程の景色が見える場所にあって、その景色もさることながらお手製の庭やら盆栽やら鳥籠やらこだわりの詰まったその空間に一瞬で心を鷲掴みにされた。

ねーぼさん家のお手製の庭園と天竜川

瀬尻のぶか凧の説明も丁寧にして下さった。
簡単に解説すると、「瀬尻のぶか凧」というのは瀬尻の寺尾地区に伝わる長方形の凧で、男子誕生を祝う祝い凧を揚げたことが起源と言われている。大きいものは20畳分の大きさになり、糸の長さも500mにまでなると言う。この地域の急勾配な斜面だからこそ起こる吹き上がる風がそれを可能にして言うよう。さらにびっくりしたのは、揚げるには三人必要で、糸の長さが長いためにその三人はお互いを目視することはできない中で連携して凧を上げるよう。

瀬尻のぶか凧、格好良い..。

ぶか凧や昔のことを説明するねーぼさんの表情はどこか誇らしげで凄く素敵だった。

一度下まで下り、2004年に廃校となった龍山北小学校へ。
ここは今年の12月に行われる「龍山、ぽちゃん」と言うアートイベントの開催地になっている。
今回滞在する自分を含めたアーティストが自身の作品を披露したりもする予定なので一度見ておきましょうということで中を見させてもらうことに。
中でも特に印象的だったのは黒板。
そこにはおそらく最後の日の予定表がそのままの形で残っていた。さらには卒業生らしき人が書いたメッセージも。
「龍山大好き」
「龍山元気になぁれ!」
「ふるさといつまでもつづいてね」
「あたたかくてのどかな町がいつまでも続きますように..」

おそらく最終日のままの予定表
卒業生?のメッセージ

学校がなくなるということ、その意味についてよくよく考えさせられる。
なくなるという話はもちろん耳にしたことはあるけど、実際になくなってその後のことを肌で実感したのは初めての経験だった。簡単には言葉にできない。悲しい気持ちや寂しい気持ちややるせない気持ちになる。
だけども、この日の夜に行われた交流会での地域の方々の表情や語り振りが決して悲観的ではなく明るく楽しそうにしている姿を見てこちらが救われた気持ちになった。烏滸がましいことではあるけど、自分に少しでも何かできることはないか、そんなことを思いこの日は眠りにつく。


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