見出し画像

山田洋平「龍山マテリアル」龍山町2日目


岩の巣と岩の卵

スマホの写真ではきっと伝わらないけれど、現在の所龍山町の素材感や質感のイメージは表紙の写真のようなものです。ゴツゴツとしながら薄い青色をもち、キラキラと光りを反射しながら年輪のように蠢いた軌跡をもっています。

天竜川にある石の多くは青石。天竜青石とも言われ、水にぬれると青みが増し、薄いけれど深い青色になります。また、結晶片岩という石も多く、薄い層を持った石で表面に光を当てるとキラキラと金属質な輝きを持ちます。
どれも自分の在住地である石川県には少なく、川でいくつか拾ってきました。

それと、天竜地区は林業も盛んだった時代があり、古い木工所に行ってきました。そこで見つけたおそらく木の根っこを頂いてきました。

花器に見立てた木の根っこ。金木犀もいただいたもの

天然石はそのままで美しいけれど、自分が何かに使おう、人を楽しませるために持ち帰ろうとすると途端に美しさが無くなって見えたり、ただの石ころにしか見えなくなります。

自然のままにしておいた方が美しいもの、置く場所を考えて置いた方が美しさを持つもの、置く場所が見つからないけれど保管しておくもの、自分には扱えないけれど誰かには扱えるだろうと思えるもの。モノだけでなくヒトも同じじゃないかとおもいながら2日目が終わります。


今日拾ったもの
▶青い石。濡れるとさらに青い石
▶黒い石。砕くと砂のように崩れる黒い石
▶赤い吊り橋
▶ホンダのカブ
▶深い水の色合い
▶誰かが整備している山の道
▶誰かが準備してくれた杖になる木
▶急こう配の坂道
▶畑だったころの名残を残す石垣
▶住まいは町中、仕事は龍山町
▶水の多さを教える苔の種類の豊富さ
▶水の流れを物語る木の形
▶暇だから何かを作る創造性
▶ここでいい経験して、住むのは町の方がいい。
▶若い人が住む場所じゃないし、ここではそれでいいのかもしれない。
▶元気だと忙しくする。疲れたら忙しくしなくなる。
▶嬉しそうに忙しくする。
▶誰かのために親切を残しておく。
▶誰かのために掃除をしておく。
▶鹿の鳴き声は女の悲鳴のよう。
▶本と資料で埋もれた家
▶郵便切手収集家。研究家
▶小さな商店街の跡
▶金木犀の香り
▶斜度50度あまりの山々
▶配電のための山道
▶権利販売
▶管理を拒むこと
▶野生の町。人工の町。
▶遍路のお店跡
▶遍路の旅籠屋
▶雨の音

yohei

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?