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西本春佳「そろそろ歴史も飽きてきたから、抜け出していきたい(4日目)」

昨晩は温泉にゆっくり浸かったおかげか、ぐっすりと寝ることが出来た。スマホのアラームが鳴ると同時に目覚め、自分の熟睡具合に少し機嫌が良い。

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相変わらず盛大な朝食。鯵の開きにだし巻き卵、ご飯は昨日少し残してしまったせいか量が少なめになっている。南伊豆で美味しい料理を頂いているせいか、今朝は朝から食欲がある。早々と箸が進み、ご飯までしっかり残さず食べることが出来た。

今日でこの宿ともおさらばしなくてはいけないのが少し寂しいが、午前中はホストのイッテツさんとの街歩きの予定がある為、荷造りをして宿を出る。

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集合場所のローカルローカルに到着すると、イッテツさんとの街歩きを行う。ローカルローカルに近いカフェ536でコーヒーを飲む。話題は「歴史があるようでないことについて」

その後も街歩きをしていると、妙に味のある解体途中のプールに出くわす。めっちゃカッコいいなぁと思って、少し近くで見てみる。

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お昼ご飯はローカルローカル近くのベトナム料理屋さん。チキンのレモングラス炒め。完全にレモングラスという文言に釣られた。

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午後は、南伊豆くらし図鑑で座禅体験をするため、金剛院へ

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早速、ご住職の伊東さんと挨拶をし、どんなお話を聞きたいか、座禅はしたいかなど希望を伝えて、体験がスタートする。(結局、座禅体験をしなかった)

本堂から見える風景は小高い山の上にあるお寺ならではの風景で、和歌山の曽祖父の家の景色を思い出す。あの家は、もう誰も住んでいないから、床下から竹が突き出ててもおかしくないなぁ…。

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歴史とか文化ってのは、そこに人がいれば自然と存在するものだと思っていた。まぁ、正確にはあるし、あったのだが、それが残っていなかったということ。

しかし、その事実が私にとってはあまりにも衝撃的で、何度もそれについて話したり、聞いたりしたけど、結局は残っていないという結論に達す。それでもそんな状況になればなるほど、抗ってしまう自分もいた。そんな私を俯瞰的に見ると、自分のモノゴトの判断基準として歴史的な文脈がかなり重要な要素を占めていたのかもしれないと気付いた。
普段は歴史なんてあまり意識している気はなかっただけに、意外な発見が出来たことが嬉しい。

私は私の立場として、歴史が残っていないことに対して衝撃を受けていたのだが、それはそれでユートピアと言っても良いかもしれない。何故なら、歴史があることで、その歴史に縛られる可能性があるからだ。歴史がないなら簡単だ。作ればいいのだから。

そんな風な話をイッテツさんや街歩きでお話した人とする。すごい、その気合い、オラにも分けてくれ。オラも早く次のステージに行きたいだ。

夜は同じ時期に滞在している清水さんと晩御飯。ノンアルコールの黒ビールなのに香りが良くて美味しい。

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お料理が出てくるのを待っていると、午後に座禅体験でお世話になった伊東さんとご飯屋さんで再会した。ついさっきの話だが、あまりの偶然にビックリした。

その後、フォカッチャやパスタを食べながら、清水さんと互いの活動の話をしたり、これからの行動について情報交換を行った。途中から何だか楽しくなってきて、少し自分の関西弁が出てくる。
楽しい気分のまま、お会計を済ませようとすると、店員さんから「南伊豆を楽しんでください」と言われた。はて?と思って詳しく聞くと、先ほどお店で再開した伊東さんがご自身のお会計の際に私たちの分まで払ってくれたようで…。
本人がもうその場にいないだけに、どうしようと困惑したが、そんな様子に店員さんが「南伊豆を楽しんで!ご住職にもまた会いに行けばいいのよ!」と言ってもらった。そうだな、南伊豆をいっぱい堪能して、楽しもう。そしてご住職にもまた会いに行こうと考えながら、そのお店を出た。

何とも粋な計らいに恐縮してしまった私だが、イッテツさんからは「ローカルを感じましたね」と言われた。なるほど、これがローカル。