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美音子「開演」(1日目)

 静岡駅から東海道線に乗る。うとうととする。沼津ではっと目が覚めて、慌てて御殿場線へと乗り換える。昔、一度だけ東京からの帰り道に間違えて乗ってしまったことを思い出す。車内で出発を待っていると、小さき人々が大勢やってくる。近くの小学校の1年生のようだ。火曜の午後1時。ぎゅうぎゅうになった横一列のシートの端っこ、なんだか自分が場違いみたいでおかしかった。小さき人々が降りていく。車内に静寂が訪れる。すこしだけ寂しい。午後2時、御殿場駅に到着する。宿をグーグルマップで調べて富士山口へ向かう。近くのセブンイレブンで印刷をし、そのまま宿がある「マイロード」に入る。宿の場所を確認し、通り過ぎて建物をみながら歩く。静岡でいう「ヒガクレ荘」みたいな入り口の本屋を見つける。どうにも気になって、キャリーを引いたまま入ってみる。たどり着いた入り口から見えた本屋は、結構な広さだった。まちの本屋という感じで、これ以上荷物が増えたら困るので引き返す。そのまま「マイロード」を通り抜け、適当に曲がってみる。また曲がって、駅の方へと戻る途中、さっきの本屋の正面に回った。そういうことか。駅方面からもう一度「マイロード」に入る。少し宿の前で待って、15時ぴったりに中へ入る。すぐに階段があり、上った先に宿の入り口があった。15時1分、呼び鈴を鳴らす。ホストの森岡さんが出迎えてくれる。簡単に宿の説明を受ける。そのまま会話が弾み2時間ほど周囲のお店のことを聞いたりお互いのことを話したりする。明日のウェルカムパーティには色々な人が来てくれるそうだ。とても楽しみだと思った。17時、夕食を買いに近所のスーパー「エピ」へ行く。さらに御殿場は精肉店が多く、どこもおいしいとのことで、「エピ」の隣の「渡辺ハム工房」をハシゴする。ジビエのなんとかというのを買ってみた。いまは冷蔵庫で大切に冷えている。夕食を食べ一休み。20時半、ホストの勝呂さんが宿に来てくれる。週末は大忙しとのことで、布団をもらい、「シアター」について簡単に説明をきいて別れる。
 この宿には、「シアター」がある。というか、この宿は「シアター」である。マンテンゲストハウスというのは、もともと映画館であった場所をセルフリノベーションした宿なのである。だから部屋と別に、「シアター」と呼ばれる、大スクリーンの大広間がある。そこにソファやテントが並んでいる。バーカウンターも併設されている。かつてシアターだった場所に、いまも「シアター」と呼ばれる部屋ができている。なんともおもしろい。明日は時間があるので、混んでいるかもしれないけど、勝呂さんに教えてもらったカフェに行ってみようと思う。わたしのワーケーションが始まる。


壁に対して垂直に置かれたベンチ
セブンイレブンのカーペット
マイロード商店街の入口
アサヒ堂書店(うらぐち)
こんな感じの裏口
中は結構広い
宿の入口
表示がバグった可愛いストーブ
少し傾いたかわいいテーブル
買いすぎた
富士山でか
半月