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新造真人「ズレた大地(3日目 その2)」

旅人3人で合流し、丹那を巡った。ホストをしてくださる酪農王国オラッチェさんのもとに集い、丹那を案内してもらう。オラッチェの周りは見事に山に囲まれた盆地。ヤギや牛を見るのには、いい天気だった。施設ではジャムやビールなども作っており、それらをオラッチェの売店や、他の場所でも売っている。6次産業を目の当たりにした。

その後、丹那断層公園、火雷神社を案内してもらう。案内してもらって良かった。おそらく説明がないと、何が起きたのか分からなかった。断層公園では、1930年に起きた北伊豆地震によって生じた断層のずれが保存されている。左横ずれ断層の活動により、当時の水路が断層に沿って2m程度ずれてしまっている様子がよくわかる。

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「この石が元々は円になっていた。それが地震によってこのようにずれてしまったんです」

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90年前の出来事が目の前にある。忘れてしまいがちだけど、地球は46億年前に誕生し、今の姿になるまでに色々な地球の生産活動が行われてきた。つい先日、ケニアに行ってきた友人が「元々は日本もサバンナと似たような風景だったのに、いつの間にか東京都心にはビルが乱立するようになった。変わりようがすごい」といった話をしていたのを思い出した。

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その後、火雷神社に行く。鳥居の位置が変わってしまっていた。信仰の対象であるそれが大地のエネルギーによって壊されてしまった時、当時の人々は恐怖を覚えたのではないだろうか。神社にも当時の様子を伝える資料はあったが、その時の人々がどのようにそれを感じたのか、そういったことを知りたいと思った。土地が何メートルもズレるような大きな地震があって、心の拠り所までも壊されてしまったら。

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