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周逸喬「エロ本自販機と私のご縁(6日目)」

10月30日
晴れ

伊東に滞在する最後の日に鈴木真紀子さんが宇佐美を散策することを案内し、街並みを中心に紹介してくれた。

まず奇妙なことから話したい。

私は宇佐美のエロ本自販機に惹かれていた。

自販機から通りかかった瞬間、「あ!これ何ですか」って、街並みを詳しく知っている鈴木さんに尋ねていた。実は、鈴木さんは後で紹介しようと計画していたが、散策する前に聞かれていたので、最初に話しざるを得なかった。すいません、自販機の脳波を受け取った。

これはエロ本自販機とのご縁だと感じていた。なぜなら、ジェンダーについて興味を持ち、女性をテーマにして作品を作っているからだ。この機械は日本特有のもので、特に中国では合法的にエロ本を販売することができないため、文化の相違を感じていた。

自販機は「今の時代」と合わないので、子供の教育にもよくないため、処分しないといけない状況になっている。ただ、伊東に今残っているただの一台をどうしても残して欲しいと考え、宇佐美に唯一ある書店である文化堂に扱ってもらって、本の展示棚として使っている。

つまり、新書(またはおすすめの本)の展示台ということは、エロ本自販機のセカンドライフだね!よくホストである薄羽さんから「セカンドライフ」という言葉を耳にしているが、これは、人生の大きな転機として、県外から伊豆半島に移住してきて、新しい未来を開いたことの意味である。そうか、その通りだ、人間だけではなく、使わなくなっていたもの、この時代に合わなくなっていたものも第二の人生(物生?)のチャンスがあるんだ。

今並んでいる本は荒木経惟の写真集、伊東出身の鈴木いづみの伝記、日本エロ本の歴史などである。また、日本中のエロ本自販機の探訪日記もある。自販機が自販機自身の伝記を売っている。

「壼中天」という本とカフェとギャラリーのお店を経営している館野さんもこの自販機を小さい展示室として使えるじゃないかと提案したそうだ。どのように自販機を利用し、面白い展示ができるかどうかをもっと真剣に考えていきたい。一台しかないことは本当に惜しい。

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(自販機の写真を撮ったけれども、大人の事情を色々遠慮の上、ここには内部の写真しか載せない。気になる方はぜひ現地へ!)

そのあとアーツカウンシルしずおかのコーディネーターである立石さんと若菜さんと歩きながら滞在のご報告していた。そして、夜の聚光院も特別参拝した。

でも、やはり自販機は忘れないんだよ。もっと書店の話を聞きたい!