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米原晶子 「恒例行事から始める旅」(1日目)

マイクロ・アート・ワーケーションが始まった。旅の準備を始める段階で、一番驚いたことは、東京にある自宅から静岡駅まで2時間ちょうど。それは神奈川県の実家から、東京の大学に通っていた通学時間より短いということ。本当にあっという間に着いてしまった。

静岡駅から徒歩10分ほど、静岡鉄道日吉町駅すぐのホテルにチェックインした後、まずはHIBARI BOOKS & COFFEEへ。私は1人旅の時には必ず、地元の本屋とカフェで過ごす時間をつくるのが恒例なので、今回もその恒例行事から旅を始めようと決めていた。事前に本屋をリサーチしたところ、とある記事を目にし、必ずここに行こうと思っていた。予想以上に居心地の良い空間で美味しいコーヒーを頂きながら、一休み。買いたい本は山ほどあったけれど、まずは1冊だけ購入。店長さんが、常連さんにお向かいのビルにできたカフェのカレーが美味しかったよ。とお勧めしていたので、夕食はそこにしようと決める。

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ホテルに戻って1時間だけオンラインmtgに参加した後、HIBARI BOOKSで小耳に挟んだ美味しいカレーを食べに、Kissa bar Ebonyへ。今年8月にオープンしたカフェということだけれど、カレーはスパイスと野菜がふんだんに使われていて本当に美味しい。マスターが気さくに話しかけてくれたので、マイクロ・アート・ワーケーションのことや、自分自身の仕事について少し話したところ、1冊の本を本棚から取り出して見せてくれる。

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「歯科医療そして文化への断片的省察ー公共政策についての試文ー」という冊子の執筆者、日本医師会元会長の大久保満男氏は、静岡における文化事業の立役者の1人だという。カフェのマスター鈴島さんは、学生時代から大好きだった静岡のカフェ「オーク」に集う大久保さんをはじめとする文化を愛する人々の真剣な議論に耳をそばだてながら青春時代を過ごしてきたらしい。その後オークは閉店してしまったけれど、そのお店のマスターだった方と一緒にまた違うカフェで働いた後、今年カフェをオープンしたとのこと。鈴島さんは物心ついた頃からたくさんの芸術や文化に触れられるのが静岡の当たり前だったけれど、この文章を読むと当たり前を作った先人たちの凄さに感銘を受けているそう。自分なりに静岡の文化芸術の動きを東京から追いかけていたつもりだったけれど、全く知らない側面を思いがけず、教えて頂いた。ちなみにこの店のランチョンマットやインテリアは、彼がかつて通ったカフェ「オーク」のものを受け継いでいるとのこと。

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今日の行動範囲は、ホテルから500m圏内で一旦終了。それにしてもこの界隈は、チェーン店はほぼ無くてカフェや喫茶店がとても多い。高校や専門学校、大学院もある。この街に通う学生さんがとても羨ましくなる1日だった。

終日街歩きを行う予定の明日に備えて体力温存しつつ、明日以降巡る予定のスポットや出会う人についての予習をして1日目が終了。