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鈴木雄大「天竜区龍山町まとめ」

10月19日から25日までの7日間、
龍山未来創造プロジェクトの長谷山大騎さん、鈴木千陽さん、鈴木のぞみさんのご協力のもと、陶芸家・美術家の本原令子さんと共に浜松市天竜区龍山に滞在しました。

天竜区は旧5市町村(5色で表示)からなっている 龍山は黄色部分
千陽さん作成のかわいい龍山の地図に助けられました


この「マイクロアートワーケーション(MAW)」に参加するのは昨年11月に続き2回目。
前回は奥駿河(静浦・内浦・西浦エリア)、OKUSURUGA BOARDの齋秀雄さんと増田都佳佐さんに受け入れていただいての滞在でした。奥駿河への再訪もいまだかなわずも、MAWでの出会いは自分の中で大きなものになっていると1年経ち感じています。「天竜は杉が有名ですよ!」とあたたかい言葉に見送られ、天竜区龍山へと出発しました。

以下、滞在記録まとめです。
(会話を含むその場所の録音と、写真を用いて編集した動画を滞在中の日々の記録として掲載しました。)

 


【滞在0日目】
滞在開始前日に知人の紹介でお会いした音楽家・絵本作家の前原本光さんに浜松駅周辺を案内していただきました。ありがとうございました。
■鴨川アートセンター 
■ページワン 額縁屋さん
■キュッフェ フレンチのお総菜屋さん 
■キルヤ 絵本やさん
■ぬいや 型染めと手仕事の品々
どちらもとっても素敵なところでした。

【10/19(水)滞在初日】

■浜松駅近くで車を借りる@ガッツレンタカー
あなたも航空ショーを見に来たんですか?もう残っている車種がこれしかなくてすみませんねえ。とのことで味のあるエブリイで出発。10月はジャズフェスの開催もあり街中は人が多く集まっているようでした。天島邸(宿泊場所)の龍山・戸倉までは、浜松駅から車で1時間強。天竜浜名湖線の二俣本町駅・天竜二俣駅が駅としては最寄りで、そこからは30分ほど。
■お昼休憩と秋野不矩美術館
数日前から体を痛めていたので天竜区に入ったところで湿布を購入@東海道薬局。お昼ご飯はJA直売所のお弁当を。素敵な美術館にも立ち寄ります。
■サロン@生島集会所
龍山到着。天島邸でホストの皆さんと共に滞在する本原令子さんにご挨拶。浜松里山いきいき隊(地域おこし協力隊)としても活動をされている鈴木千陽さんと長谷山大騎さんの案内で、龍山・瀬尻の方が集うサロンへおじゃましました。自己紹介の後は、ババ抜きや七ならべをしながら皆さんからお話を伺います。

龍山 サロン
雨上がりの雲や霧がたつ風景が好き
吸い上げた水が降りていく音が聴こえるのよ
ダムの人達に育ててもらったようなところもある
貧しくはあったけれど
皆が同じレベルの暮らしだったから
物を分け合ったり 今も幸せだ

■懇親会@宿泊場所
近くの食堂・三角屋がしばらくお休み!?ということがわかり、急遽最寄りのスーパー(車で往復40分強)への買い出しでお鍋を用意していただきました。ホスト3名、旅人2名で食卓を囲み和やかに顔合わせです。

【10/20(木)2日目】

■朝ごはん@なずな工房
昨日サロンでお会いした永源寺の尚武さんと光枝さん。光枝さんはJA等に出すお弁当を作っておられたので朝に伺い、揚げ具合が絶妙なヒレカツ弁当をいただきます。
■寺尾
長谷山さんと千陽さんの案内でブカ凧をあげる寺尾の高台へ。
そのすぐ下に住む仕事の装備がおしゃれなチヅコさんに畑を見せてもらい里芋を沢山いただきました。
見上げるとお茶摘み中のネエボさんご夫婦。立派なブカ凧も拝見。

寺尾 お茶
ブカ凧もつくるネエボさん
お茶畑を見下ろしながら
あっちは峰之沢鉱山 あっちは塩の道
でも見えないなあ 木が育ちすぎて

その後、千陽さんに町案内をしていただきました。
■不動の滝
■沈んだ階段

ダム建設のため、下に住んでいた人はまるっと一段上に引っ越したそうです

■昼ごはん@ドラゴンママ
■ギャラリー見学
準備中のギャラリーには廃校からの素敵な本棚が。千陽さんのマクラメ編みや長谷山さんの木工作品も展示されています。
■ヒデさんとドライブ 
ヒデさんと天竜川の東側をまわります。思い付きでぶらぶらと移動しながらの、ふと最近のことを思いだしたかのように民話を教えてくれる話しぶりがたまりません。梅の木のサルノコシカケは癌に効くそうで採取。
■おみやげ@多丸屋片桐商店
かわいいワンカップの日本勢
■あらたまの湯
■晩ごはん@たちばな

【10/21(金)3日目】

■散歩&ブランチ@花桃の里
道の駅に駐車してソフトクリーム片手に散策。貸ボートを行っている天竜相津マリーナの方が近くを案内してれました。

国鉄が「佐久間線」を作ろうとして中止となった名残の橋途中まで掘られたトンネルはワインセラーになっているそうです

隣のカヌー工房には木製の手作りカヌー。この付近はカヌーの競技大会も行われるとのこと。
■jazz喫茶Miles Tone
コーヒーがとても美味しい。Jackie Mcleanが大きな音で流れていました。
■白山神社
宮司の佐奈さんになんとも丁寧にお迎えいただき、神社と龍山にまつわるお話を伺いました。ヒデさんの話が頭の中で少しずつ繋がっていきます。

白山神社
水を引っ張ってきています 発電機も使って
久しぶりのお祭りに 
餅をまきたいんです


■ドラゴンママ 
味噌こんにゃくと干してあった紫蘇をひとつかみいただきました。 
■ウチヤマ 

美容室に木の作品たち おもちゃも手作りです

■マルシェきころ
野菜にお菓子に沢山売っています、海のものも多い。
■pao store
アイス屋さんでは埼玉の古着屋さんのポップアップも。
■ラーメンさいとう
pao storeさんおすすめの町のラーメンを。
■帰って飲み会
本原さんは日々、町の方々とお料理をしています。滞在中たびたび便乗してごちそうになりました。この日は龍山に移住してきた20代のイソガイ君と。楽しい飲み会となりました、チヅコさんの里芋も絶品!

【10/22(土)4日目】

■枯木伐採

瀬尻 枯木伐採
自分たちでやるしかないんだ
集会所の屋根も修理必要でしょ
やっちゃおう

■屋根修理

危険なことも楽しそうにやってのけてしまうおとうさん方
ただ見ているしかできない僕達

■ドラゴンママ
五平餅をテイクアウト、みんなで食べます、味噌うまい。 
■風と月
長谷山さんがよく行くというサウナへ。
■サビテン@山ノ舎
「何も決めないパーティー」に参加。五平餅を焚火であぶっていただきます。

【10/23(日)5日目】

■祭りの準備@白山神社
お祭りに向けて町の方々とお掃除。神社を掃除するのは初めてかもしれない、酒蔵の掃除を思い出します。
空気が澄み切って清々しい気持ちで皆でお弁当です。

薪割り 

■木こり体験

木こり体験
間伐 差し込む光の量 
ここにいるととても感じやすい

てっちゃん先生のもと 初めてのチェーンソー

■BBQ 
夜は天島邸で交流会を設けていただきました。流れ星が見えるほどの空の下で呑んで食べて、皆さんの前で滞在中の感想をお話させていただきました。のぞみさんのライヤーと私のコルネットでセッション。このあたりから記憶は朧気ですが深い時間まで盛り上がりました(とのこと)。

【10/24(月)6日目】

■白倉峡
二日酔いの頭でゆっくりとお昼ごろからの活動開始。ここにきて初めて、人に会う予定が無い日。のぞみさんの案内でいざ龍山観光。

白倉峡
アウトプットのためにインプットしようなんて
上手くいったこともなく結局
あそぼうとすると途端にひらけてくる

■お茶畑

かっこいいモノラックで のぞみさんのお母様のお茶畑へ
のぞみさんにウラジロの草遊びも教えてもらいました

■佐久間
最後にまだ行っていなかった北へ。大学堂の焼き鳥をこの日の晩酌に持ち帰り。観光協会で竜王ごんげん方面をオススメしていただいたものの、向かう途中に熊に遭遇。車に飛び乗ります。この一週間、鹿・狸・穴熊・狐と沢山の動物にも出会いました。

【10/25(火)7日目】

■帰路 
トンネルを抜けて 天竜ハムと

生命は若く
時報 9時 12時 17時 21時
龍山村歌 詞はわからずとも 


以上、滞在中の活動記録です。

【おわりに】

成果物を求めないということが、このMAWのなんとも不思議な魅力となっているんだなと感じています。

作品を作らなくていいから、目一杯歩き回る。
部屋に戻ってしまうのがもったいないから疲れるまで。
地域との関わりの時間をひとつの表現に落とし込む、そのことを優先させない。だから沢山の出会いから膨大なエネルギーをいただいておいて、消化も昇華もしているのかいないのかよくわからなくなっている自分を通してゆらゆらとそれと向き合う。この場所と自分との接続点にはいったいどんなものがあるんだろうか、いっそ作品にしてしまった方がすっきりとして楽なんじゃないかというところまで頭を巡らせたところで、まんまとこのMAWにハマってしまっているんだなと気づいて笑ってしまう。

昨年のMAWを終えた今も奥駿河に思いを飛ばす時間がたびたびあります。滞在を7日間で終わらせない、長期的な目線を自然とつくってくれる仕組みになっているんだと1年たって改めて思います。

さて、すっかりハマってしまったのち静岡について自分なりの調べを進めていく中で、浜松まつりのラッパ文化をはじめとして県西の方へも興味がわいてきます。この度2回目のMAW応募となりました。

天竜区龍山。失礼ながら、またホストの方々にはお手間をとらせることにもなりますが、目的を作らない方が自分の場合は良いのかなと思うところがあったので下調べもやりすぎないように、やりたいことも具体化させず伺いました。昨年同様できるだけ現地で判断することに。
MAWとしては毎日noteでの日記等の掲載が課せられていたので、レコーダーとコルネットを持って行きます。ものごとを言語化するのが速くないので、感じたことを記録する手がかりとして。

滞在2日目にしてその日の録音を聴き直しながら、どうしても龍山で出会う皆さんのことばに耳が行ってしまうことに気がつきます。普段は自然の音であったり手仕事の作業音であったりすることが多いのですが、会話の内容の面白さもさることながら、川を山を背景にしながらのその生き生きとした声たちに惹かれたのでした。

今もまた録音を聴き直しながらこの7日間を反芻しています。短い期間に驚くほど多くの出会いがありました。長谷山さん、千陽さん、のぞみさんがいなければこんな濃密な滞在はあり得なかったと思います、深く感謝いたします。

どの出会いも土を感じさせるもの、と言ったらよいのか、龍山の地に立ち上がる営みに交わらせていただきました。
それでいて、私が風の役割を担えるのか。
担えたのか、ではなく。
これからも長く考え続けていきたいと思います。

あらためまして、ご尽力いただいた龍山未来創造プロジェクトの皆さんはじめ、多くの視点を共有してくださった本原さん、アーツカウンシルしずおかの皆さま、そしてあたたかく迎え入れ沢山の時間をくださった龍山の皆さま、本当にありがとうございました。