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櫻井麻樹「まき散歩(2日目)御殿場」


昨日の興奮がまだ残りつつ目覚めた朝、 
カーテンを開けると太陽の光が入って来る、今日も天気がよさそうだ。

窓をあけてるとゆっくりと生活音が聞こえる、人の歩く音、鳥の声、遠くから聞こえるごみ収集車の音。
このマンテンゲストハウスの周りは飲み屋街なので夜は結構騒がしい。
だから朝の静けさと夜の喧騒のギャップが面白い。
そんなこと寝起きに感じながら、今日はどこへいこう?
そんなことをぼーっと考えていると、昨日のウェルカムパーティーで聞いたことを思い出す。
「新天地に行ってみるといいよ、新天地に朝と夜の顔があるから」
よし、まず新天地に行こう!

そう決めると早速準備をしてマンテンゲストハウスを飛び出す、昨日に引き続き暑い・・・・ダウンをリュックに詰めてきたが使わなそうだ。
そんな遠くないと聞いていたので歩いて5分ほどで新天地に到着。


朝と夜の顔か・・・・
なるほど、新宿のゴールデン街みたいな感じでした。
気のせいなのか、こういう場所はいつも思うが人が生きてるな・・・または昨日ここに人がいたんだなという気配を感じる。
そして何か哀愁みたいなものを勝手に感じてしまう。
個人的にはそういった人間臭いところは大好きだ。
そういった意味で朝と夜の顔なのかもしれないな・・・夜も見てみよう。
などと思いつつそのまま歩いていると、神社を発見。
「新橋浅間神社」


日常に追われているとなかなかゆっくりと神社によれることもないので立ち寄ってみる。
ここぞとばかりにひたすら願いを込めて祈ってみたが、どうやらここは縁結びの神社みたいでした。
裏から入ったので帰りにわかりました。
色々な縁がありますように!

そして御殿場高校生活創造デザイン科の高校生達がこの石碑のデザインをしたらしいです。


学生にデザインをお願いしたのか?何かの企画だったのか?
そういった関係が成り立っているのはなんか素敵でした、そしてさらに神社の事務所の中にコミュニティーセンターまでありました。


気になったので受付で聞いてみると、誰でも使えてここで色々と自由に話したりしているとのことで、昔はもっと広く畳の部屋などもあったみたいなのですが、今はなくなってしまったみたいでした。
それでもこうして神社の中に憩いの場があり交流を持つ場所があるのはいいなとほっこりしながら受付の方とお別れして、次は滞在中に行ってみたいと思ってい「たけやきかん」へ


きれいな建物で、中に入ってみると受付の方がお出迎えをしてくれました。
「自習室ですか?」
と聞かれたのですが、実は僕の目的は、このけやき館の中に展示してあるという、「御殿場駅前の昔の写真」これを見るのが目的でした。
受付の方に写真を見たいとの理由を話すと快くなかへ入れてくれて、しばし写真見学タイムへ

1930年代(街の風景?)
40年代
50年代
60年代

こうやって暮らしは変わっていくんですね。
その土地の変わっていく様をじっくり見れるのもこの旅の醍醐味だと思いました。
けやき館は上が図書の貸し出しなどもやっていて、御殿場の歴史の本が6巻くらいあり、しかもかなり分厚い・・・・見た良かったですがそれだけでこの旅全部終わりそうなので仕方なく断念。
帰り際に、キッズスペースを見つけ少しのぞいてみると、複数組の親子が楽しく交流してました。
こういった環境もあるんだと感心しつつ、さっきの神社の中のコミュニティーセンターもそうですが結構そういった施設は充実しているんだなと思いました。

歩くことに楽しみを覚えたので今日は歩いていけるとこをまわろうと決めて一度ゲストハウスに戻り、装備を整えていざ「まき散歩」へ
しばらく歩いていると、とても趣のある建物が!!
「横山鶏卵店」


気になってしまったので、中へ入るとかわいらしいおばあちゃんが出迎えてくださいました。
お見せの中がこれまたすごい!
すごい数の「こけし」が並んでました!


その数は500体以上だとか、そのこけしがずらーっと並ぶ姿もまた素敵なんですけれど、ひとつひとつ模様や顔が違ったり、あとそのおばあちゃんが言うには「こけしに光が当たっちゃうと書かれたデザインがみんな消えてっちゃうんだよね、だから大体もう消えちゃってんのもあるんだよ」と言っていました。
このおばあちゃんはずっと御殿場で暮らしていて今は鶏卵店だけど、昔は養鶏場をやっていて、でも時代の流れとともに規模をだんだん縮小してきてついに養鶏場をやめて70年前にここに引っ越してきて、鶏卵店としてこの家を建てたそうで、(養鶏場の時からだと120年だそうです)今では卵を人に届けることもなくなり、今は卵を取りに来る方だけに売るようになったのと、後は御殿場の名産ではないけど、自分が好きなものを置いて売っているとのことでした。
そこのお店に並んだ家具とかがまた素敵で、「これはどうしたんですか?」って聞いたら、実は昔伊豆の方に廃材を使って家具を作る人がいたみたいで、その人にお願いして作った家具だったみたいで、それが時代とともにも大分年期が入ってとても素敵にその存在感を放っていました。


おばあちゃんが言うには、「今の御殿場の風景も暮らしも随分昔とは変わったけれど、私は今一番大切にしているのは健康でいる事そして、家族とみんな楽しく生きているのが一番幸せだよ」ということを言っていました。
この前人生で初めて伊香保に旅行に行ったようで、今年365段の階段を上るのが伊香保にあって、ちょっと時間が都合上で300段ちょっと登って帰ってきちゃっただけそれが残念だったと、笑いながら言っていました。
僕が今御殿場には滞在アーティストとして来てるんですと伝えると、「こうやって御殿場の事を発信してくれてるのはとても嬉しいよ」と言ってくれたり、「時とともに自分の大切なことも変わってくるから、今やっているあなたのそういうことも、あなたが年を取って、今一番やりたい事がこれになったってことなんだね」とそう言ってくれたその言葉がとても印象的でした。

卵を買おうとしたらちょうど切れちゃったみたいで、まだ御殿場に滞在してる期間中にもう一度たまごを買いに来ようかと思います

おばあちゃんに素敵はお話を聞いた後は、少し歩くには距離がありましたが
御殿場市東山旧岸邸へ

1時間後・・・・・ようやく到着!


入口からがまた長い、でも自然に囲まれ素敵で高級感がありました。

岸信介元首相の自宅として建てられ御殿場市の文化施設として一般公開しています。
吉田五十八さんが建てられたみたいです。
中もそれは素敵でしたが、御殿場という土地が別荘地としても使われて、病気の療養などにも良い場とされていて、それだけすむには環境が良い所とされているんだと思いました。
高速を使えば東京にも出やすいし交通の便としても良く、岸元首相もここから行き来していたと書かれてました。

旧岸邸を後にして今日の最後目標、「二岡神社」へここまでも歩くと中々距離がありましたが、そこの途中には「美しい日本の歩きたくなる500選」といううたい文句がある道を通りました。
500選・・・・日本にどれだけあるのだろうか?
そこが気になるところでしたが、歩いてみると天気も良かったので最高でした!
これからもっと紅葉が進むとより奇麗だろうなという想像を働かせながら「二岡神社」へ到着。


ここは黒澤明監督の映画「七人の侍」の撮影現場で神聖地となっていて、黒澤監督は御殿場の地で「蜘蛛の巣城」「椿三十郎」「隠し砦の三悪人」「影武者」「乱」「夢」「まあだだよ」「八月の狂想曲」などを撮ったみたいで別荘を建てるくらい好んだ土地だったみたいです。
ちなみに黒澤監督といえば僕としては昨年亡くなられた俳優 「隆大介」 さんが信長役をやっている「影武者」が好きなので「影武者」押しです。

二岡神社を後にしてあとはマンテンゲストハウスまで戻っていると、気になるカフェ&パン屋さん「kukka」さんを見つけました!

中に入り物色!
かなり悩んだ結果・・・・頑張って歩いたご褒美に「クロワッサン」、「栗とチョコレート」のパン、「アップルタルト」をゲット!

パンを買うときの勝手な個人的ルールがあり、必ずクロワッサンを買う!
それを食べたらおいしいパン屋かすぐわかる!
何ていう、「ききパン評論家ゲーム」なるものを一人で楽しむのが好きです。

このパンを買ってマンテンゲストハウスで食べるを頑張る理由にして、何とか無事に
戻ってきました。

今日の歩いた時間・・・・・朝9時~17時 時々休みながらも8時間。
良く歩いた自分を褒めます!
ご褒美のパンはすべて美味しかったです!

明日は早朝からアークラ大サーカスのボランティアに潜り込みます。
朝4時半起き・・・・・・頑張ります!