井原宏蕗「9/3_お寺巡り(2日目)」
河津滞在2日目。天気は晴れ。
午前中は同時期に滞在している他の旅人さんと一緒に「伊豆ならんだの里 河津平安の仏像展示館」へ。
南禅寺
南禅寺(なぜんじ)は同名の京都の南禅寺(なんぜんじ)とは全く関係がないらしい。元々、仏像たちはこちらに祀られていたようだが、今はこの御堂の向かって左手にある仏像展示室に安置されている。
ここには薬師如来座像、地蔵菩薩立像、十一面観音像など、平安時代の仏像が展示されている。県内最古の仏像群である。正直、平安時代の仏像が何故、河津に?という疑問があったが、優しいスタッフの方がしっかりと説明をしてくれた。このボリュームの説明を来る人すべてにしているのかなと思うと末恐ろしい。是非、皆様も説明込みで鑑賞していただきたい。
国内のお寺にある仏像展示室には珍しく館内の撮影は自由。ガラスケースもなく、撫で仏に関しては触ることすら出来る。文化財に指定された仏像たちをここまで身近に感じられる場所は、おそらく他にないだろう。
本尊の薬師如来は本当に素晴らしい像だったが、その他で気になったのは虫食いされた仏像たちである。その姿はいわば人と自然の合作であり、そこには膨大な時間を内包しているように感じられた。そしてそれらの像が大切に保管されているところに嬉しさを覚えた。
午後はホストの和田さんと合流して「つるし雛」を作っている方のお家へ見学に。
正直、つるし雛というの文化自体を河津に来るまで知らなかった。ゆっくりお話を聞かせてもらい、最後には素敵なお土産も頂いた。
栖足寺
栖足寺は河童のお寺として河津を代表する有名なお寺である。
住職さんにお寺の歴史や河童の寺と呼ばれるようになった由来まで丁寧に説明をしていただいた。河津で出会う人たちは皆さん本当に優しい。
本堂の天井絵がデザイン的で面白かった。江戸後期の作品で家紋の原型となった植物が描かれたているらしい。(お寺の内部の撮影は控えたが、栖足寺のHPで天井絵を見ることができる。)
住職のご厚意で本尊の釈迦如来も近くまで寄って見学させてもらえた。平安時代の作品なのに文化財の指定をされていないそうだ。というのも調査が始まったのもここ最近のことでだという。午前中の平安の仏像もそうだが、まだまだ世にあまり知られていない素晴らしい仏像というのが存在してるのだなと思うと、なんだか嬉しくなった。