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折田千秋「静岡での演劇企画と芹沢銈介美術館の佇まい(3日目)」


今日の活動は以下の通り。
①静岡市役所まちは劇場推進課へのインタビュー
②芹沢銈介美術館と登呂遺跡

①静岡市役所まちは劇場推進課へのインタビュー
同じ旅人である米原さん(アートマネージャー)とご一緒に、静岡市役所まちは劇場推進課の多々良さんに活動の内容を伺いました。私は現代アーティストとして活動しているものの、舞台芸術における昨今の活動や運営・行政の体制に詳しくなく、少しでも実態を知りたいと思い参加しました。

静岡はもともと大道芸が盛んな地域で、現在はSPACをはじめとする演劇芸術が盛んです。
ふじのくに⇄せかい演劇祭ストレンジード大道芸ワールドカップなどの催しものがほぼ毎年開催されています(コロナにより中止の年もあり)。

その中でも面白いと思った活動は「きょうの演劇」というアーティストと市民が共同しあたりまえの毎日を劇場化するという活動です。
中でも、アグネス吉井さんのまちを使ってその場を劇場化する活動には感心しました。アーケードタイルの模様を道路に見立てこの色しか渡ってはいけない、そんなルールを作り実行することでなんとなく不思議な光景が広がります。日常の商店街が非日常的な演劇の場に変わる、そのギャップに何気ない日常の中の気づきを感じます。

②芹沢銈介美術館と登呂遺跡
芹沢銈介美術館と登呂遺跡は同じエリア内に建てられています。
芹沢銈介の展示自体の良さもさることながら、美術館の設計とその展示空間の良さも際立つものでした。設計は白井晟一。芹沢から直々に設計を頼まれたとのこと。
現代美術館でよく見られるホワイトキューブではなく、染色の温かさを感じるような土色の壁や、石や木や水を用いた落ち着いた美術館になっています。
また作品の展示も単調なものではなく、作品のサイズや色合い、素材に合わせた展示だと感じました。登呂遺跡の素朴な展示の仕方に習ったような、落ち着きつつも贅沢な空間を感じられます。
登呂遺跡の佇まいも、住宅群のなかの原っぱにポツンと存在する様子が変に展示されている風を受けず、当時の人々の生活の様子も想起できる気がします。