見出し画像

1月16日(月)野口さん再訪・遭遇

16時ころ、野口さんに到着時間を聞く。19:42に商店街の最寄駅、岳南鉄道「吉原本町駅」に到着するというので、「吉原中央カルチャーセンター」として一緒に活動してる田村と撮影について少し話し、それまで各々過ごす。今回の滞在中、3月12日にグランシップで開催される「面白い人に会いたい!!!2023」で上映されるドキュメンタリー映像の撮影が入る。ビデオグラファーの中島響さんが不在の間はYCCCメンバーもスマホでできる限りの撮影を行うことになっている。

野口さんが滞在する、商店街付近に自宅がある白坂さんにも到着時間を連絡をする。
白坂さんは野口さんが10月にアーツカウンシルしずおか主催「マイクロアートワーケーション」滞在中に偶然出会った庭師だ。意気投合し、今回ご厚意で自宅の空き部屋を滞在場所として提供いただくことになった。今夜は一緒にご飯をする予定だ。
一旦部屋に荷物をおろしてそのまま商店街のどこか(未定)に行きましょう、と伝えるものの、なんとなく言った通りにはならなさそうな予感がする。野口さんといると、だいたいそんな感じだ。

駅に向かい、電車がくる少し前から田村のスマホで映像を撮影する。改札の外から、こちらに向かって走ってくる電車を撮る。仕事帰りの人々が何名かゾロゾロと降りるが、野口くんらしき人が出てこない。「これ、野口くん以外の人けっこう映っちゃって大丈夫かなあ」と田村が言う横で(やはり)と思い自分のスマホを見ると、

「ごめんなさい!乗り換えを間違えていたようで、今富士駅です」

富士駅という字面が目に飛び込んできた瞬間大笑いした。野口竜平は期待どおりにならないという意味で期待どおりだ。田村が横で何かを言ってるが耳に入らないほど面白かった。メッセージを笑いながら見せ、田村も「はっっ?!」と驚く。
吉原商店街は富士駅から車で10分ほど離れている。富士市には明確な「街の玄関口・中心地」が存在しない。富士駅まで車で迎えに行こうかと聞くが、すでに野口さんは吉原駅(岳南鉄道の乗換駅)に戻っていた模様。次の岳南電車が来るまでの30分、一旦オフィスに戻り、白坂さんに連絡し、また駅に戻る。

待望の野口さん、大きなバックパックを背負いキャリーケースを持って出てくる。「久しぶりです〜」野口さんの声はソフトで語尾が波打つことが多いけど、奥底がどしんとしている。
これまでもzoomやメッセージで何度か滞在に向けて打ち合わせをしてきたが、「その通りにやりましょう」と言うわけではないのは承知のうえ。公式には「10日間の滞在」と言うことになっているが、10日間は3月12日に向けて課されている制作で精一杯で地域とのつながりを築けないので延長するかも、と言う話になった。

さて、これから10+?日間、どんな遭遇が待っているのでしょう。

【野口さんのお話メモ】
・昨年12月に東京の銭湯で蛸にまつわる壁画を描いてから、ドローイングモードに入ってる
・これまで真竹で蛸みこしを作ってきたが、富士市内は孟宗竹が多いので滞在を機に試してみたい
・白坂さんが仕事で竹の扱い方、割り方など経験があるので相談しながら作ってく
・富士市比奈の滝川観音、滝川浅間神社、竹採公園に竹にまつわるあれこれがあるらしい。竹採公園は前回MAW中に突撃して、敷地内に住んでるというお爺さんと電話番号を交換した。
・大分県別府にある血の池地獄から採れた赤土でたこつぼ=土器を作った。魂を招き入れる容れものとしての土器
・能楽の演目では狂女が竹を振り、神魂を招く。神を呼ぶアンテナとしての竹
富士市は富士山があるから「アジール」として、バラバラでいられるのでは。ただし、富士山を守らなければそうあることはできない。

庭師の白坂さんのお話メモ】
・庭は究極のサステナブル
・「景石」「積む石」石の世界は深い
・「たたき」は石灰、土、ニガリを混ぜるので漢字で「三和土」と書く
・静岡県民は熱しやすく冷めやすい県民性を持ってるので、新しい商品や取り組みのトライアルの場として使われることが多い。「アンテナが高い」とも言える。
・(吉原について)バラバラなままそれぞれがやることをやっている中で関わり合う。だからよそ者を受け入れられるのでは。

野口さんが持ってきた資料
アジールについて

(YCCC瀧瀬 記)