越智良江「生活と in 下田市」(6日目)

今回の滞在では、吉佐美から白浜まで、
だいぶ広い下田をそこそこ歩けたのではないかな。

吉佐美の方に行くと、白浜海岸より小さめで、可愛らしいビーチが多かった。

すると、道路でスケボーをやっている小さな兄弟に出会う。
スケボーかー、さすがサーフィンの街だなあと思っていると、

彼らはどうもスケボーで、サーフィンの練習をしているっぽい。
多分、まだ小さいから、海ではダメなのかなー。
でも、そのスケボーで波乗りのテクニック用語や、ターンなどを練習している。

「来た❗️デカイの来た❗️すげー波だ❗️」

と言って、スケボーに乗る。
いやもう演劇❗️と思いながら見てた。
日焼けして真っ黒だ。この時期にこれだけ日焼けしている子も
なかなかいないくらいの真っ黒だ。
サーフィン屋さんの子供っぽい。近くに店がある。

浜辺へ行くと、彼らよりは少し大きいけれども、子供たちが
じゃんじゃんサーフィンをしている・・・
まだ小学生とかだろうけれど、とても上手い・・・

お宿を今回は6泊全て変えてみた。
わざと西へ東へ振った宿取りをして、移動しながら町を歩く。
その中で

「鍵、置いとくから入っといてー出かけてるから」

とご連絡いただいたお宿が2軒。
おーーー、なんという平和・・・。東京に居たらまずない。多分。

生活、の、延長上で仕事がある、人たち。

サーフィンが好きで、海沿いに住むサーファー屋さん家族
生活ともてなしが共存しているお宿さん

そりゃ裏はわからないし、苦労もきっとヒトシオだろうけれど、
仕事が生活で、生活が仕事で、
うまく言えないが、共存していたと思う。それを受け入れる観光客。

考えてみると、仕事をして、週末に遊ぶ・リラックスする、
「さあ、仕事が終わった。週末だ」と
仕事 と 生活 を切り離しているのが普通だと
まあそれが当たり前かもしれないけれども。

でもこうして、生活と楽しみと苦労と地続きであるのは良いなあ、
こんな暮らしができたらなあ、と羨ましい。

地続き。
では、私は演劇をやっているが、演劇なり、絵画なり、音楽なり、
芸術・アートと言われるものが、人々の生活と地続きになるのか、役立つのか。
益がないなら、個人の趣味なら、ここに公共のお金が使われちゃいけないわけで。

衣食住が最優先はもう重々でして、
そりゃそうだ。演劇でお腹はいっぱいにならないけれども
衣食住のその先に、あるのとないのとでは、
随分違うと信じている。

生きる、のその先に、
どのように生きるか、があって。
アートが教育的に効果があることも随分実証されてきた。
豊かさ、感動、切なさ、なんなら人生だって見ることができる。

一枚の絵を見て、絶望していたその先に
「明日からも、もうちょっと頑張ってみようかな」
と思える。

さて、
今回、下田市でたくさんの素敵な人と出会った。
また会いたいし、会えなくても、元気で過ごしていて欲しい。
その地に友人がいたら、ここと戦争しようと思わないでしょう。
この美しい波に感銘を受けたら、ここに爆撃を落とそうと思わないでしょう。
きっと戦争は起きない。

取り止めのない文章になってしまった。
早く平和が戻りますように。

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