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蜂谷充志と仲間「龍山にただひとつしかないもの」3日目

早朝6時の新開沢

早朝の新開沢、かすかな鳥の鳴き声と沢の音。その河原を歩くと一足一足の動きに合わせて音を奏でる無数の石ころ。音の原因を凝視する。そこにはひとつと同じものがない世界が広がっていた。私はひとつの石ころに語りかけてみた、、、石ころが応じてくれた気がした。(はちや)

瀬尻白山神社

午後、雨の龍山となった。川面や稜線を霧が覆い、平坦な諧調の風景画のように見える。山頂にある龍山を守る瀬尻白山神社に向かう。標高が上がるにつれて強風と雨が強まり、雨雲と霧と杉林に囲まれ明度が低くなった頃に神社に着いた。宮司さんは神社にあかりを灯し、神社の謂れを話してくれた。
宮司さん「この神社と場所が好きで、ずっと守っていきたいとう思いを持ちお仕えしている」と、、、。こういうひとつの力から力がもらえる。
(はちや)

瀬尻 白山神社

午後、白山神社に向かった。雨足が次第に強くなり、木々が呻き声のような悍ましい雄叫びをあげる中であった。
白山神社では宮司さんからこの土地で祀られている神々についてのお話をいただいた。薄々感じていた自然という大きな円環の中に、人間が浸透していくかのようなイメージが私の中ではっきりと浮び上がった。
帰る頃には、悍ましいと思っていた雄叫びは力強い讃歌に変わっていた。
自然と足取りは軽くなっていた。
(とづか)

自然のアクアリウム
美しい川辺


河原を歩く我々


石から出た粉
河原の石

龍山の川で柔らかく鉱石のようなきらりと光る石を見つけた。どうやらこの川では柔らかく鉱石のような石は珍しいモノではないらしい。石と石を削るとチョークのような粉が出てきて面白かった。油と練って絵の具にもなりそうとか、これを綺麗に研磨して龍山特製数珠などが作れるのではないかなどと考えていたらキリがなくて面白かった。
 龍山は山だけではなく川の石も独自に変化している。地層のように重なった石はどのように作られたのだろう。石を叩いて音を聞いてみると中身が空洞のような軽い音がした。石と石がぶつかる音と木のざわめき、川のせせらぎが森の音楽のようで思わず座って聞き入ってしまった(まつしま)

不動の滝
山を覆う霧

今日の龍山は今までと違った風景を見せてくれた。まるで山が燃えて煙を出しているかのように霧が辺りを覆っていた。晴れている時の天竜川はエメラルドグリーンで美しかったが今日は霧を衣にして姿を見せず、それもまた美しいと感じた。
しばらくすれば雨は強くなり雨音と木が揺れる音だけがした。この地に住む龍がじんわりと怒っているが如く山の力強さと自然の勢いのが我々を襲った。こんな天候でも滝は勢いよく流れ続けていた。我々の心をきよくしてくれるたきは「不動の滝」。急な斜面の山々を切るように流れる滝は神秘的そのものだった。実際に肌で感じ触れ合うからこそ身に染みてわかる龍山の良さだと感じた。(はやた)

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