Aki Iwaya「ここでかわいそうと思ってはだめ」(6日目)

『絵のうら側に言葉の糸をとおす』鴻池朋子 聞き手 大竹昭子+堀江敏幸 カタリココ文庫 
https://katarikoko.stores.jp/items/5f538cef3475ed707a459b80

p38「絵画の様式が成立した過程で、裏が存在するという約束事が出来たということですね」
「自分の中で絵画パネルに全然手応えがなくなっていって、そんなんだったらPCモニターと同じだなあと思ったんです。つまり、震災後もかつての方法のままで作品をつくっていたら、世界の表面すべてが絵画のように均質に見えるという事態が起きた。あれは一つの大きな出来事でしたね」

39「言葉の場合は、素材を変えるわけにはいかないので、向こうに行って、縫って、また戻ってくる、そういう運動に耐える言葉を探すしかない」
39「ジオラマに入る危険性は、自分もジオラマの一要素になることですね」
42「私も博物館や美術館の制度や構造に違和感を持つことは多々ありますよ。でも何でしょうね、それって何か親に反発する子どもみたいで、親がいるから反抗できるっていう未熟な依存関係みたい。むしろ私なら実際にこの違和感のある現場を使って、考えや嗜好の違う様々な人たちと仕事しながら、思ってもみなかった事に出会いたいなあというほうです」

52(鴻池氏が鹿に初めてナイフを入れてしっかりと殺しきった時に、傍らの猟師の口から)「ここでかわいそうと思ってはだめ」

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