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新造真人「伊豆半島の大きさを徐々に知り、歩き方を変える(2日目)」

昨日から、伊豆に来た。泊まっている宿に、伊豆半島と静岡の地図がある。静岡県ってでっかいなぁ。じぶんが来た道、そしてこれから行く道を、地図の中に思い描いてみる。事前に立てた1週間の予定を変えなきゃいけない気がした。静岡はとても、大きい。ゆっくり回らないと、心と体が、もっと離れて行ってしまう感じがする。


もともと伊東は1泊だけの予定だった。なんにも伊東のことなんて知らずに来てみると、どんどん情報が入ってくる。それは例えば、観光情報だとか、美味しいお店だとか。歩いてみてきになる場所が増え、船本さんに案内をされ土地の歴史や人物について知る。

↑こちらは昨日1日目のことをホストの船本さんが書かれたnoteです

船本さんからのご紹介で気になった人、こと。特に、あわせて3つある。彫刻家の重岡さん。イルカ。三浦按針(みうらあんじん)。滞在2日目の今日は、三浦按針と、重岡さんについて昨日からの続きで深堀する日になった。

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この日は本来、伊東から下田経由で雲見温泉の方に行く予定だった。しかし、伊豆半島の地図を改めて眺めたときに、自分がすごく高速で移動している気がした。早すぎる移動は、魂を置き去りにする。そんな話を先日聞いたばかり。ここ最近のぼくは、なにか精神があわただしくて、せっかく伊豆に来たのに、心がせわせわしている。日々、たくさんの情報に触れ過ぎていて、動悸がする。胸が苦しい。

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冬は、寒いこともあって、体がこわばる。移動の荷物が重い。肌を締め付けるような服。11月、12月の移動と仕事で頭がいっぱいいっぱいで、せっかく伊豆に来たのに、目の前のものに対峙できていない。そんな感覚を1日目に覚えた。精神安定の薬を飲んで、白湯を飲んで、温泉に浸かって、ストレッチをして、居眠りをして。それでもどこか、心がざわざわしている。

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今回、アーツカウンシルしずおかさんのプロジェクトで、伊豆半島に来ている。しかも、旅人して。アーティストとして。だからといって、気張る必要はない。目一杯、この土地を味わうために、自分の心と体をしっかり整えたい(と、言いながら、現在これを執筆しているのは深夜2時半過ぎです)。そのために、ただただ、たくさん移動して、たくさん人とあって、たくさん見て、というのは、やめようと思った。一つのことに、潜りたい。

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一つの場所に、じっとしてみる。同じ場所に、何度も足を運んでみる。一つの対象を少し深掘りしてみる。伊豆はあまりにも大きい。ぼくは普段、小田原に住んでいるので、1時間ちょっともすれば伊東までなら来れる。ならば、今回の滞在だけで伊東を知りきろうとするのではなく、何度も来よう。そのために、じっくり見て回る。ぼくの今の興味は、先ほどあげた3つ。今日の行動記録を気してみる。

行動記録

起床 - 11時 宿
宿のチェックアウトが11時。それまでゆっくり、宿で考え事をしてみた。いざ散歩をはじめると、頭が暴走してしまう気がした。

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11:00-12:30 なぎさ公園、重岡先生、彫刻、柔らかさと硬さ、公園
昨日(1日目)に、船本さんに連れて行っていただいた、なぎさ公園に再来。

昨日は夕方で、かつ、船本さんとおしゃべりをしながらだった。今回は日中の日が高い頃に、一人で行った。ひとつひとつの作品をみてまわる。なぎさ公園という名前だけど、「公園」てのは一体なんなんだろう。そんなことを考えた。

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近くを散歩し、気になっていたスーパーマーケットあおきに行く。その後、台湾料理屋さんで昼食。心が少し落ち着く。

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12:30-13:00 食、イルカ、捕鯨、知性
12時から1時間、未来の食について話すzoom ミーティングがあった。完全食は、栄養ばかり気にしていて、食卓という空間や、咀嚼、食べることの選択、食べ物が生き物だったことを忘れているのではないか。そんなことを思った。

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頭の中では、イルカと繋がった。これは、捕鯨やシーシェパードのことへの意識、および、イルカの知能や、人間を人間たらしめる知性とは何か。そういったことへの飛躍を産んだ。しかし、そういった妄想は、地に足がつくことで、さらに飛躍すると僕は考えていてそのために、シーシェパードの映画や、捕鯨文化について書かれた書籍を読みたいと思った。

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13:00-17:00 東海館、按針、御宿、メキシコ
重岡先生の作品が飾られていた。

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このことについては、明日以降のnoteで書こうと思います。情報過多になってしまうので。

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今日、大事なのは、按針についてです。東海館をぐるぐると配管しながら、按針について記録や資料を見ていると、思考が一瞬、ドカンと発火した。いま、ぼくの体がある静岡県の伊東と、千葉県の御宿町がつながっていたのだ。これがとても重要だった。それは歴史的に重要なことであり、ぼく自身にとっても、かなり重要なことなのだ。

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ぼくは数年前から御宿に通い始めた。友人が住んでおり、彼を訪ねたりしている中で、御宿を気に入った。そして現在、御宿での作品展示の準備を進めている。御宿はメキシコ記念公園がある。これは日・西・墨三国交通発祥記念之碑(通称:メキシコ塔)を中心とした丘の上の公園である。

1609年、スペイン領フィリピン総督ドン・ロドリゴ一行の乗るサン・フランシスコ号が、メキシコへの帰港中に岩和田の田尻沖で座礁し、当時の村民たちが総出による献身的な救助で、一行317名が救助された歴史的事実から、祖先の美挙を後世に伝え、永遠なる国際親睦を記念して建立されました。また、これを桟に日本・メキシコ(当時スペイン領)・スペインの友好関係がはじまりました。

参考:https://maruchiba.jp/sys/data/index/page/id/5687

そして、この座礁した人々を送り返すことに貢献したのが、按針である。今、とても眠くて、事実確認をしっかりとできるほどの頭がないのだが、僕の中でぐわっと、今いる伊東と、御宿が繋がった。そして、これをただ教科書で知るのではなく、たまたま寄った伊東の、東海館で、なんとな〜くの目線の置き場によってそれを発見したことが大事だと思う。一つしかない身体が、たまたま、伊東で御宿の名前を発見した。そして、その御宿は、自分が現在、作品制作に取り組んでいる土地だ。

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17:00-19:30 温泉、水、
本日もK's houseに泊まることにした。もう少し、ゆったりと過ごさないと、いろいろなものを取りこぼしてしまう。ゆったりと温泉に浸かり、体を伸ばし、考え事をしていた。

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ふと思った。小田原を紹介するなら、海と山。伊豆、今の所伊東しか知らないが、ここを紹介するなら、海と水と山。水、というのものは、一体、じぶんにとって、何をさしているのだろう。海も水だ。しかし、海と、水と、山。そう言いたくなるのは、なんでだろうか。温泉の泉質か。町の中を走る川の風景がそう思わせるのか。

19:30-22:20 夕食、市内散策、ボウリング、波
宿の方に教えていただいた、国八さんを訪ねた。この頃には、心が忙しなくなってしまっていて、食べた後、しばらくお店に残っていた。カウンターに紙とペンがあったので、気持ちをつづってみたり、これまで使ったお金を計算してみたり。スマホの速度だと、どんどんどんどん情報が溢れて来てしまうから、紙に、ゆっくりと、ペンで書く。この速度が大事だ。心を取り戻す速度。遅い、というのは、ありがたい。何でもかんでも、情報があればいいというものではない。

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お店を後にして、駅の反対側に行ってみた。ボウリング場がある。やってみたいな〜と、無邪気に思って、体が軽くなる。近くに鹿嶋神社があるから行ってみようと思ったけど、近くに行った途端、体がこわくなった。やめた。日中、ボウリングをした後なんかに行こうかな。それにしても、ボウリング場の活気は良かった。アーケード街には人がまばらで寂しいけど、あつまっているところには、集まっているんだ。かーんかーん。ボールと、ピンがぶつかる音。なんとも心地のいい響きがする。

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海の向こうに歩いて行く。昨日船本さんといった伊豆っこだ。ラーメンを食べたいなと思ったけど、食べ過ぎは、胃腸に響く。胃腸に響くと、肌と脳に響く。今日はやめておこう。日中にまた来たい。ボーリングにしろ、伊豆っこにしろ、花火大会にしろ。どんどん欲望が出てくるから、それが一番綺麗に、満たされるような条件を揃えてあげたい。今日、ボーリングをすることだって、納豆チャーハンとラーメンを食べることだって、できはするけど、それは、果たして、ちゃんと喜べるかな。

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欲望に頭ばかりが先行するから、体がちゃんとそこについていけるか、聞いてみる。腑に落ちて、ちゃんと、楽しめるかな。精神と、肉体が、乖離しすぎないように。そして、海辺に行く。波に近づくほどに、道路を走る車の音が小さくなる。波。波。波。18歳のときに波の音が聞きたくて、電車に乗って鎌倉に行って、海岸で野宿をしたことがある。その時は、車の音がうるさくて、全然眠れやしなかった。オレンジビーチなら、きっと、心地いい波の音で眠れるんじゃないかな。自然と、喉から声が出て、何か声が歌っていた。口から音を出してみると、気持ちがいい。そういえば、伊東に来てから温泉に入っているときには、ぽわぽわぽわぽわ、声を出している。あ〜を、どうやったら、気持ちよく、言えるのか。それを無意識に試している。

22:20-26:30 事務作業@K's house伊東温泉

4時間一体何をしていたんだろう。宿に戻って、もろもろの作業をしていた。普段の仕事の返信をしたり、請求書を作ったり。はあ、やになっちゃうよと思っていたら、0時を超えていた。お次は、たのしい事務作業。来週、長野県の上田に行くので、交通情報や宿、観光地や食事処を調べていた。そしたら2時過ぎである。本当は、10時くらいには寝たいのに。今日は、0時くらいにそれらの作業を終わらせて、温泉に入って寝ようと思っていた。

26:30-27:30 note執筆@K's house伊東温泉

もう、noteを書き始めて50分が経った。

このnoteだって、一体、どれだけの人が読むのだろうか。もっと、しゃっきり、すっきりと、ぱっ!と、短くまとめられたいいのにな。でも、こうやって長々と書いて行くことで、考えが少し整理されて行く。今日、いろいろなものを見た。きになるものは写真に撮った。けれど、それを見返す時間がなかなかない。だから、このnoteは、ぼくにとっては、頭の整理ノートである。日報、というより、それを作るための、材料を選択している。手書きのノート、書きなぐって、そこから、なにか大切なものを抽出して行く。


明日以降は、もっとライトな行動記録と、手書きのなにかにしようかな。

3日目の記事も宜しくお願いします。


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