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おきなお子 第1日目 富士山と斜陽

本日初日の旅人、おきなお子です。静岡、こんにちは。
わたしはふだん、街のなかで演劇を上演したり(まちなかエンゲキ)、役者や演劇はじめての人とでも即興で作品をつくったりしています。

このたび、両親ともに静岡出身、幼少期は大人たちが茶畑でお茶刈りをする間、大きな茶カゴに入ってそれを見ていたという原風景とゆかりを持って、この土地にやってきました。

懐かしいな、静岡の再発見が楽しみだな、と思っていましたが、今回のエリア・伊豆半島のホストとして出会ったIZAIZUさんのお話しを聞き、そんなノスタルジーではおさまらない、かの昔からの旅先・温泉宿・風光明媚な地に、文学者だけでもぞろぞろやってきて、筆に残していくその数たるや…と目を丸くすることになりました。
このサイトにのっている文学者だけでも、その数、80 !!!!

伊豆といえば、川端康成の『伊豆の踊り子』があまりに有名で、気がついていなかったのですが、なんと、太宰治の『斜陽』もここで書かれたのかと知り、そういえば、主人公かず子は、伊豆の“ちょっと支那風の山荘”に越してきたのだ、と思い出しました。

_______「空気のせいかしら。陽の光が、まるで東京と違うじゃないの。光線が絹ごしされてるみたい。」

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『斜陽」は、太宰の恋人だった太田静子との共作とも言える物語です。
そして、のちに玉川上水に沈み死していく太宰が、残す静子と幼な子(治子)への最大限の、生きることを願う言葉のようにも感じます。
この2冊の本を鞄に入れて、こんかいの7日間の探索に出発です。

今日、浜松からの車では、雨の中、全身が見えないながらに圧倒的な存在感の富士山に迎えてもらいました。

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また、夕方についた宿では、ホストのIZAIZUさんがさっそく足を運んで下さり、同行してくれたSさんと3人で、伊豆との出会いから、この土地にまつわる歴史や千年を悠と超える物語に至るまで語り合い、目に見える恵み、目に見えない豊かさの双方を感じました。
かぐや姫の話とか、わくわくしちゃう。

目に見えないものを、見えるようにできるのが、Art、演劇の素晴らしさ。
そんな作品に結びついたらいいなと、雨の上がって漁火が対岸に見えるホテルの部屋で、夜な夜な想うのでした。
おやすみなさい。また、明日。

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